関東第一 守り勝ち8強!プロ注目右腕・坂井が2戦連続0封 明徳斬った5回3安打 母への恩返しVへ
「全国高校野球選手権・3回戦、関東第一3-2明徳義塾」(16日、甲子園球場) 勝利の瞬間、力強く拳を握ってほえた。勝負の夏、たくましいエースへと成長。坂井が2試合連続の無失点救援で5年ぶりの夏8強を導いた。 「楽しみながら投げられました」。同点の五回から登板し、11球で三者凡退に。直後の六回にチームは勝ち越しに成功した。七回には無死一、二塁と危機を招いたが、犠打を阻止する好フィールディングを披露。バックの守りも好守を連発し、1点を守り抜いた。 試合後、あいさつへ向かったスタンドにお守りを掲げた。母・一恵さん(43)が前日に購入し手渡してくれたものだ。登板中もポケットにしのばせ「パワーをもらっていました」と明かした。 女手一つで育ててくれた一恵さんには、幼少期からキャッチボールや打撃練習のトス上げなどサポートを受けた。「中学生の頃はやんちゃして迷惑かけました」と苦笑い。ただ、一恵さんは「反抗期もあったけど、なんだかんだピュア。『君の名は』(アニメ映画)を3回見て3回泣いたり(笑)」と素顔を明かす。 中学時代は、周囲とのレベルの差や制球面などで悩み母に「傷つくような言葉」をぶつけたことも。それでも一恵さんは「雷を落としたりアメを上げたり(笑)。本人の憤りも、すごく分かるので」と常に鼓舞してきた。 恩返しのために目指すのはプロの世界だ。「感謝してます。抑えて勝つ姿を見せたい」と遼。公式戦はほとんど毎回応援に来てくれる母へ、日本一長く聖地での雄姿を届ける。