1月の訪日客、コロナ前同水準268万人 欧州・中国で鈍い回復
日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数推計値によると、2024年1月の訪日客数は268万8100人だった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前となる2019年同月(268万9339人)と比べるとわずかに下回ったものの、コロナ前とほぼ同水準となった。250万人を上回るのは2カ月連続で、国・地域別では韓国と台湾、豪州の3市場で単月の過去最高を更新した。出国した日本人は42.3%減の83万8600人だった。 JNTOが重点市場としているのは23カ国・地域で、2023年4月分から北欧地域が加わった。元日に発生した能登半島地震の影響が東アジアを中心に一部あったものの、概ね堅調に推移した。 月間の訪日客数は半数以上の市場でコロナ前を上回る回復となった一方、欧州はロシア領空を迂回(うかい)し通常よりも飛行時間が増加していることが影響し、回復が鈍化している。また、中国の回復も本格化せず、コロナ前の半数程度の戻りにとどまっている。 23市場のうち2019年同月を上回ったのは、単月の最高記録を更新した3市場を含め10カ国・地域。シンガポール、インドネシア、フィリピン、米国、カナダ、メキシコ、中東の7市場で1月の過去最高となった。
Yusuke KOHASE