米トランプ前大統領に「タフ・ネゴシエーターだ」と言われた自民党・茂木幹事長…TPP交渉、完全舞台裏「ビッグな交渉で良い結果を出す秘訣」
トランプに「タフ・ネゴシエーターだ」と言われた理由
ーーTPP交渉を振り返った安倍晋三元首相の回顧録に<トランプはライトハイザーのことを、「彼は性格が悪いが、仕事はしっかりこなすんだよ」と言ったので、私が茂木さんについて「こちらは性格も良いし、仕事もできる」と返答したら、日本側の代表団が爆笑するということがありました」という記述がある。 (茂木幹事長) 確かにそんなことがありました。日米貿易交渉は非常に大変なもので、トランプ大統領から「茂木はタフ・ネゴシエーターだ」と言われたこともあります。何が「タフ」に映ったのか。それは日本側として絶対に譲れない一線があり、それは最後まで守ったことだと思います。一方で、相手側の要求の中でこちらが受け入れられる部分については、十分に対応してきたつもりです。私は「タフだけれども良いネゴシエーター」だと自負しています。 ーー日本各地に米軍基地があり、アメリカに軍事的に守ってもらっている日本は、こうした交渉では不利ではないのか。 (茂木幹事長) 日米同盟を基軸とした強固な日米関係は、日米間のみならず国際社会全体の平和と安定にとって極めて重要で、日米は国際社会でのコアパートナーだと考えています。貿易交渉も同様に、お互いにメリットのあるものにすることが大切です。 私はTPPの交渉を11カ国でまとめ上げましたが、こうした交渉で良い結果を出す秘訣は、どちらが勝かというゼロサムゲームではなく、お互いにメリットがあるウィンウィンの結果を目指すことです。 日米貿易交渉を振り返っても、トランプ大統領は再選を目指す中で、農業分野、特に牛肉の関税条件がオーストラリアに比べて不利な状況を早急に改善したいという強い意向がありました。交渉の過程で相手の関心や優先順位を見極めることが、ウィンウィンな結果を出す上で非常に重要です。ですから、お互いに自分の要望だけを押し付けるのではなく、相手が乗ってきやすい、かつ、日本の国益にかなう提案をしていきました。 撮影=村上庄吾
茂木敏充
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