【高校バレー】「二人の3年間と、これから。―京都・東山高校、花村知哉&尾藤大輝―」
■最後の春高は京都大会決勝で敗退
3年生夏のインターハイ、秋に行われた国体はともに全国2位の成績を残し、迎えた去年11月の春高予選・京都大会決勝。 相手は過去幾度となく全国をかけた試合で対戦し、互いにしのぎを削ってきた名門・洛南。注目の対決にたくさんのファンと両校の応援団が大勢かけつける中、セットを取って取られてのフルセットの激闘となる。しかし最後はエース・尾藤選手のバックアタックがブロックにかかり、ゲームセット。東山は全国へ進むことができなかった。 この試合から3か月以上が経った今、花村選手は「どれだけやっても勝負の世界なので(結果はどうなるか)全くわからない。技術を磨いて努力し続けるしかないと思った。」と、次のステップを見据えて、悔しかった経験をこう捉えている。 1月におこなわれた全国大会を、テレビや配信を通して毎日見た花村選手。「最初は悔しくて見たくなかったけど、洛南もそうですし、他にもいろんな友達が出場していたのですごく刺激をもらった。同世代の人たちが頑張っているのを見ると『出たかった』とも思うし、でも『次に対戦する時は絶対勝ってやる』といったいろんな感情がこみ上げました。」と気づけば初日から決勝までチェックした。 一方の尾藤選手も春高を振り返って「悔しい経験ではあるけど、あれだけ多くの人たちに試合を観ていただいて応援していただいて、そういう環境でバレーができることは本当に特別だったなと思う。だからこそ結果や自分のプレーなどで恩返しできるようになっていければ」と、これからもバレー人生を歩んでいく上の糧としている。
■これからは別のチームへ、ライバルとして。
4月から花村選手は天理大、尾藤選手は中央大へ進学する。西日本と東日本で別れるため、リーグ戦で試合をすることは無いが、全日本インカレでは互いに勝ち上がれば対戦する可能性もある。花村選手は「僕たちは打倒・関東でやっている。全日本インカレではもしかしたら当たる可能性があるので、その時はもう絶対倒してやるぞという意味を込めて、関西に残って技術を磨いて。」と意気込んだ。 一方の尾藤選手は「全日本インカレの舞台でお互い試合ができたら良いなと思いますし、ライバルとして頑張りたいのもありますけど、自分をもっと高めていって、3年間頑張ってくれた知哉に『一緒にバレーできてよかったな』と思ってもらえるような人になりたい」と目標を掲げた。 この3年間で「本音でぶつかり合うことの大切さ」を学んだという尾藤選手。一方の花村選手も「僕が情けない時は大輝が怒る時もあったし、指摘し合って話し合いをたくさんすることができて大輝には感謝している」と話した。続けて、「直接は『ありがとう』とは言えていないので、最後の別れ際で言おうかなと思います。」と、はにかんだ。