巨人を目覚めさせた阪神は3ゲーム差に6球団の混セに生き残れるのか?
阪神が満員の甲子園で巨人に1-10で完敗した。対巨人の同一カード3連敗は2016年9月以来、2年ぶりの屈辱である。開幕前に「阪神ファンにとって対巨人戦は特別だから」と金本監督は、開幕カードでもあった巨人戦への意識を口にしていたが、中継ぎが崩れ、打線がつながらず、モタモタしていた巨人を目覚めさせてしまった。試合後、金本監督は、「選手が悔しい気持ちを持っているのか。持っていない選手は使えない」と、厳しいコメントを残した。誰に対しての言葉だったのだろう。 糸井嘉男の集中力に欠けた気のないプレーは見るに堪えなかった。 ルーキーの高橋遥人が4回に岡本和真に勝ち越しタイムリーを浴び、さらに一死一塁から亀井善行のライトフェンスを直撃した打球のクッションを処理した糸井は、中継に入った上本博紀の遥か頭上に山なりの返球。おそらくロサリオは、そこにボールが来ると思ってもいなかったのだろう。カバーが遅れ“トンネル”した。 エラーはロサリオについたが、“戦犯”は糸井の雑な返球だった。 亀井は三塁へ。制球に苦しむ高橋は続く長野久義を歩かせて、隠れ首位打者の小林誠司に三遊間にタイムリーを許して3点差に広がったのである。5回にも、糸井はマギーの大飛球に追いつきながらもグラブに当てて落とした。確かに捕ればファインプレーだ。しかし、球際の集中力を見せ、最高級のプロの技術でルーキーの 高橋を援護しなければならなかった。FAでそれくらいの給料をもらっている。 ひょっとすれば、体のどこかに痛みを抱えながらプレーしているのかもしれない。それが原因がこういうプレーが続くのならば休んだ方がいい。 ベンチワークにも問題があった。 打順を組み替え、1番に上本、打率3割をキープしている糸原健斗を2番にすえたが機能しなかった。これはプロ野球「あるある」のひとつである。好調選手の打順を上げると、パタっと、当たりが止まることが少なくない。リズムやプレッシャー。いろんな要因がある。 高橋の交代時期も疑問だった。4回裏、二死一、二塁の反撃機で、打席に梅野隆太郎が入ったところで、ネクストバッターズサークルには高橋の代打として原口文仁が入った。もし、梅野がつなぎ高橋まで打席が回れば代打だったのだ。しかし、梅野は凡退。5回には、高橋が続けてマウンドに上がった。新人には気持ちの切り替えが難しい続投だった。しかも、打たれているゲレーロから始まる好打順である。案の定、高橋は、先頭のゲレーロにセンター前ヒットを打たれ、前述したマギーの二塁打で無死二、三塁となった。 香田投手コーチがマウンドへ行った。せめて、ここで交替だっただろう。だが、ベンチは続投させ岡本にバックスクリーンに3ランを打たれた。1-7となりゲームは終わりになった。外の変化球に弱点のある岡本は、スクリューやチェンジアップなどを持たない左腕には、その弱点が消える。 ベンチワークに細心の配慮がなかったように思えた。