只見線の安全運行に尽力 福島県「鉄道技術職」の椎根健介さん誓う
「上下分離方式」に伴うJR只見線会津川口(金山町)―只見駅間の維持管理業務を担う福島県の「鉄道技術職」に、2月1日付で前倒し採用された椎根健介さん(41)=本宮市出身=への辞令交付式は5日、県庁で行われた。椎根さんは、これまでの実務経験を生かし只見線の安全運行に尽力していく決意を誓った。 椎根さんはこれまで約20年間、県内外で鉄道のメンテナンス業務に従事してきた。会津地域でも勤務経験があり、只見線を担当したこともあるという。家庭の事情で一時期、他業界の仕事に就いたが、採用試験に関する新聞記事を読んだ家族に背中を押された。中学生の長女から「鉄道の技術者としてまた輝いてほしい」とのエールもあり、受験を決めた。 只見線に対する思いは人一倍強い。2011(平成23)年7月の新潟・福島豪雨時には、被災状況を目の当たりにした。当初は復旧にも従事したが、県外で他の業務を担当することになり、後ろ髪を引かれる思いで福島県を後にしたという。
今後は踏切などの電気関係を維持管理する「信号通信」担当として、2022(令和4)年10月に11年ぶりに全線開通した只見線に再び携わる。椎根さんは「経験を生かし、県民や利用者のために一生懸命精進する」と言葉に力を込めた。 交付式では、鈴木竜次県生活環境部長が辞令を手渡し、「利用者の安全輸送に向け、力を存分に発揮してほしい」と激励した。 採用試験には椎根さんの他に2人が合格した。県は4月1日付採用に向け、それぞれ調整を進めている。