変速機破損、動力伝わらず 米空軍オスプレイ、屋久島沖墜落
鹿児島県・屋久島沖で昨年11月、米空軍の輸送機CV22オスプレイが墜落し、搭乗の8人全員が死亡した事故で、米空軍は2日、調査報告書を公表した。機体は変速機が破損したことで片側エンジンの動力がローターに伝わらなくなり、バランスを失い墜落。不具合を示す警報が複数回出ていたのに操縦士は飛行を続けており、判断にも問題があったと結論付けた。 米軍と陸上自衛隊は事故後、オスプレイの飛行を見合わせた。今年3月、対策を講じて安全に運用できるめどが立ったとして再開したが、原因の詳細は明らかにしなかった。報告書公表を受け、防衛省の担当者は「関係自治体にも説明して信頼を得たい」としている。 オスプレイは左右にエンジンと変速機、ローターを備える。事故後の調査で、左側の変速機「プロップローター・ギアボックス」内部で歯車が破断していたことが判明。破片で別の歯車がすり減り、ローターに動力が伝わらない状態になっていた。歯車破断の根本原因は特定できなかったとしている。