<呪術廻戦>壮絶なオープニング回収に悲鳴「地獄展開」「野薔薇ちゃあああん!」、最後の椅子の描写は第1期24話と切ないリンク
MBS・TBS系列全国28局にて放送・配信中のアニメ「呪術廻戦」(毎週木曜夜11:56-0:26ほか、TBS系/ABEMA・ディズニープラス・Huluほかにて配信)の第2期19話(第43話)「理非-弐-」が11月30日に放送された。「渋谷事変」に入ってからショッキングなシーンが連続し、今回も釘崎野薔薇(CV.瀬戸麻沙美)に待っていた衝撃の結末に悲鳴が上がる事態となった。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】回想シーンで流れた幼少期の釘崎野薔薇(CV.瀬戸麻沙美) ■壮絶なオープニング回収となった釘崎の最期 虎杖悠仁(CV.榎木淳弥)が真人(CV.島崎信長)と一進一退の戦いを繰り広げている頃、地上で待機していた釘崎は、新田(CV.徳井青空)の制止を振り切って戦場に舞い戻る。ついさっき、一級術師の七海健人の強さを目の当たりにし、しかもその強さで“最低レベル”と言われた釘崎は、自分が力不足なのは分かっていたはずだ。それでも、「アイツらが戦ってるのに 一人だけ帰るなんて私にはできない」と、決意を口にして前に進む。 思い返せば以前、釘崎は“自分が自分であるためなら命を懸けられる”ということをきっぱり宣言しており、死地に向かう彼女の姿にはその強い信念が見えるようだった。しかし、この釘崎の行動はピンチに陥っていた虎杖を救うことになるが、結果的にそれを超えて、最悪の事態を招くことになってしまう。 真人に顔を触れられ、立ち尽くす釘崎。虎杖の呼びかけに振り向いた彼女は気高く、凛とした表現で「悪くなかった!」と伝えると、顔を破裂させて崩れ落ちてしまった。 前話の七海に続くショッキングなシーンとなり、特に原作耐性のなかったアニメ視聴者からは悲鳴が続出。「野薔薇ちゃあああん!」「し、死んでないよね? ショックで脳みそ攣(つ)りそう」「朝起きて見たら地獄展開、ウソだろ…」というコメントが後を絶たない状態となる。 気付いた人は多くいると思うが、実はこの釘崎の最期はオープニング映像のときから示唆されていた。「渋谷事変」で切り替わった新オープニングの中で釘崎は左手で顔を押さえており、原作勢はもちろん、本編の行き先に不穏を感じていた視聴者は大勢いたのだ。今回のシーンはオープニングの壮絶回収というもので、「あの絵にまさかこんなヒドイ意味があったなんて」「もうこれ以上の回収はないと信じたい」など、ここで結びついた結末に痛ましい思いを寄せるコメントも数多く見受けられた。 ■「悪くなかった!」と言い切れた釘崎の人生の席 真人に触れられたあと、釘崎は子供の頃のことを思い出していた。尺としては今話の半分ほどを占め、これを長いと感じた視聴者もいたようだ。しかし、釘崎という人間を考えるとき、この回想は決して削れない大事なシーンだった。 釘崎は東北の片田舎の生まれだ。村社会特有のよそ者排除な閉鎖感覚、共同性のある土地だったのだろう。釘崎は、「村の人間は全員頭がおかしくて 自分だけが正気だとそう思い込んでいた」と回想している。ふみちゃんのランドセルを隠した男の子たちをボッコボコにしていたことからも伝わる通り、子どもの頃から直情型で正義感が強かった釘崎は、そんな村と村の人間たちが大嫌いだった。だから村には街から引っ越してきたふみちゃんしか友達がいなかった。もう1人、都会から越してきた憧れのお姉さん、沙織ちゃんは追い出されるように村から出て行った。 そんな過去があってのことか、釘崎は第1期24話「共犯」で虎杖に、「私の…人生の席…っていうか そこに座ってない人間に 私の心をどうこうされたくないのよね」と語っている。回想の最後に映った席は、そのときに語った釘崎の中にある人生の席。沙織ちゃんやふみちゃん、虎杖や伏黒恵たちなど、そこに座った人間を思い出し、彼らと関わった人生は「悪くなかった!」と。だからこその、悔いを見せない凛とした最期だったのだろう。 流れだけを見ればたしかに胸の痛い結末ではあったものの、そんな釘崎の生き様は視聴者にもしっかり伝わったようだ。「俺の推し、カッコいい最後だった」「人生最後に出る台詞があれとはあまりにも男前すぎる」「釘崎は強い! 強かった!」など、悲しみを超えて釘崎を贈る言葉も多数寄せられている。 なお、回想では釘崎が座っていた椅子が音もなく横に倒れるが、これはアニメオリジナルの演出。原作漫画にはない描写だった。こういうさりげないワンシーンの追加でキャラクター情景を繊細に描写しているのは、いかに監督、脚本家たちが原作を大切にし、それをどうアニメで表現しようかと考え抜いた先にあるものではないだろうか。 ※島崎信長の崎は正しくは「たつさき」 ■文/鈴木康道