阿部サダヲ“市郎”を取り囲む人々との関係性が徐々に明らかに<不適切にもほどがある!>
阿部サダヲ主演の金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第4話「既読スルーしちゃダメですか?」が2月16日に放送された。同作は、昭和のおじさんがコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるきっかけを与えていく、完全オリジナルの意識低い系タイムスリップコメディー。第4話、1986年(昭和)と2024年(令和)で市郎(阿部サダヲ)と関わりのある人たちの関係性が明らかになり始める。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】コタツでサカエ(吉田羊)と話すキヨシ(坂元愛登) ■宮藤官九郎の脚本によるオリジナル・コメディー作品 脚本は宮藤官九郎が務め、プロデューサーは磯山晶氏が担当。「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)、「木更津キャッツアイ」(2002年)、「タイガー&ドラゴン」(2005年、全てTBS系)でタッグを組んできた2人が、令和で新たな作品を生み出す。 同ドラマには、突如1986年から2024年へタイムスリップし、令和では考えられない“不適切”な言動を繰り返す小川市郎役で阿部、バラエティー番組のアシスタントプロデューサーとして働くシングルマザー・犬島渚役で仲が出演。 とあるアイドルに心酔するあまり、その身なり言動すべてを完コピする男“ムッチ先輩”こと秋津睦実を磯村勇斗、市郎と逆で、2024年から1986年に息子と共にタイムスリップする社会学者の向坂サカエを吉田羊、そして、市郎の一人娘・小川純子を河合、サカエの息子・向坂キヨシを坂元愛登が演じる他、袴田吉彦、山本耕史ら個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。 ■市郎と渚の間にタイムパラドックスのビリビリが走る 渚の窮地に駆けつけ、番組のスタジオでハラスメントのガイドラインをミュージカル調で伝えた市郎。エレベーターの中で、渚は市郎にキスをしようとするが、あと少しというところでビリビリっと電気が走り、キスをすることはできなかった。 井上(三宅弘城)から「過去を改ざんすると未来が変わってしまう。それがタイムパラドックスです」と聞かされていた渚は、自分が市郎との間に何か“関係”があると気づいた。市郎に体を触れさせようと何度か試みるが、そのたびにビリビリっと電気が走り、それ以上距離を縮めることはできなかった。 タイムマシンを発明した井上(三宅弘城)が、昭和の時代に小川が担任していたクラスの生徒の井上(中田理智)だったということは既にわかっているが、今回、いろんな人物の関係性が見えてきた。 ■秋津くんは“ムッチ先輩”の息子 娘・純子(河合優実)が思いを寄せているムッチ先輩(磯村勇斗)。前回、令和から昭和に帰った時に市郎はムッチ先輩を見て驚いた。「お前がなんでこっちにいるんだよ?」とか「(帰り道は)便所か?」とか話しかけるがムッチ先輩は何のことやらチンプンカンプン。 市郎が驚くのも無理はない。令和に秋津くんと出会い、秋津くんの家に居候させてもらっているが、同じ顔をした人物が昭和にいたらそれはビックリするはず。 令和で、昭和の頃の歌詞のコンプライアンスに関して検証するためにカラオケをしている時、秋津くんが近藤真彦の「ハイティーン・ブギ」を入れた。「これ、自分です。親父の十八番で」と言って歌っている時に確信した。 市郎は「演奏停止」を押して、「親父の名前を言ってみろ!」と秋津くんに詰め寄った。彼の父親の名前は秋津睦実。「ムッチ先輩、お前、ムッチのせがれか? うちの娘を絶賛たぶらかし中の葛飾区の暴走族よ」と嫌悪感丸出しで語ると、井上も「マッチに憧れて、『俺のこと、ムッチって呼べ』って。呼ばないとベルトでしばかれるという伝説の先輩!」とその存在を思い出したようだ。 ムッチ先輩と秋津くんの関係が明らかになったことで、市郎が不安になったのは、秋津くんの母親が“純子”なんじゃないかということだった。 ■渚の母親は、市郎の娘の純子なのか不安になる 秋津くんが母親の名前を言おうとすると、市郎はそれを制して、「お前の口から純子の名前が出ようもんなら、俺はお前を刺し殺す!」と脅すが、とっさに市郎が手に持ったのは殺傷能力のないマドラーだった。 市郎はカウンセリングの時間になったと伝えて、逃げるようにその場を後にしたが、市郎が発した“純子”の名前を聞いて、顔色が変わったのは渚だった。 渚は真剣な表情で市郎に「来週、私の父に会っていただきたいんです」と伝えた。市郎は、それこそ結婚を前提に交際するにあたって父親にあいさつをする、というふうに思い込み、浮き足立つが、そうではなかった。 渚の父親ゆずる(古田新太)と対面した市郎は、頭を下げるゆずるに「お父さん、頭あげましょうよ」と語りかけるが、ゆずるも「お父さん」と返してきた。 秋津くんが持っていたスマホに、純子らしき女性が子供を抱いている写真が写っているのが映し出された。 つまり、ゆずるは純子の結婚相手で、渚は市郎にとって“孫”にあたる関係ということになる。以前、渚は阪神淡路大震災のあった1995年に母親が亡くなったと話していたので、2024年の令和に純子はいないということに…。 まだ不確定であってほしいと願うばかりだが、もし本当なら、あまりにもツラい現実を突きつけられる市郎はどう反応するのだろうか。衝撃的な第4話のエンディングに、SNSに多くの視聴者の動揺がおさまらない。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部