ガーナ人技能実習生のモハメド・オスマンさん（左）と江田敦郎さん＝志布志市有明町伊崎田のエーアンドエフ事業協同組合

　外国人技能実習生の受け入れ仲介を担う鹿児島県志布志市の監理団体「エーアンドエフ事業協同組合」は７月中旬、ガーナ人技能実習生を初めて受け入れた。同組合らが現地に送り出し機関を立ち上げ、ガーナ政府の推薦状を得て実現。円安で日本の賃金が相対的に下がり、人材獲得競争にさらされる中、技能実習生の新たな確保先として期待される。 「このまま日本で働いて、子育てもしたい」…お茶に魅せられたベトナム女性、家族と永住可能な「特定技能2号」に一発合格

　実習生は、モハメド・オスマンさん（２４）。エーアンドエフの江田敦郎代表（６７）らが昨年、ガーナに設けた送り出し機関「フランクエルトン」で日本語を学習。約１０人から選ばれた。 　７月１３日に来日。志布志市で交通ルールや労働関係法について学び、８月から都城市の企業で左官の実習に励む。オスマンさんは「日本に行きたいとずっと思っていた。日本大使館の人もボランティアで日本語を教えてくれた」と話す。 　鹿児島労働局のまとめによると、県内の技能実習生は昨年１０月末時点で６２６４人。ベトナム３４４８人、インドネシア１５２１人で８割近くを占める。 　出入国在留管理庁の統計によると、入管法で「技能実習」の在留資格が創設された２０１０～２４年４月に入国したガーナ人実習生はいない。アフリカ地域からは、同期間に南アフリカなど６カ国から計１６２人が入国しているが、全体の０．０１％に満たない。 　日本は、実習生を円滑に受け入れるための「二国間協定」をアジア地域の１５カ国と結ぶ。厚生労働省によると、協定がなくても公的機関からの推薦など要件を満たせば受け入れ可能だ。

　江田代表は「実習生はアジアが中心だったが、円安の影響で日本は選ばれづらくなっている」と明かす。 　ガーナ在住の国際協力機構（ＪＩＣＡ）関係者から相談を受けたこともあり、新たな確保先として着目した。フランクエルトンでは現在、約５０人が日本語を学ぶ。「ガーナは公用語が英語なのでコミュニケーションが取りやすい。今後はガーナ人実習生も増えていくのではないか」と話した。