40歳で「貯金ゼロ」です。NISAを使えば60歳までに「2000万円」貯めるのに間に合うと言われましたが本当ですか? 月々いくら貯めればいいでしょうか?
長期投資することで利回りは安定する
ただし、NISAでの資産運用であっても、あくまで投資であるため、5%の利回りが必ず約束されている訳ではありません。5%の利回りを出すためには、ある程度のリスクを取る必要があり、ときには元本を下回ることもあります。 リスクを下げるのに有効なのは長期投資です。図表2は、1989年以降、毎月同じ金額を国内外の株式と債券に積み立てて、5年間と20年間それぞれ保有した場合についての年間収益率を金融庁が計算したものです。 図表2
金融庁 はじめてみよう! NISA早わかりガイドブック 5年間の積立投資の場合は収益率に大きなばらつきがあり、元本割れになっていることもあると分かります。一方で20年間の積立投資の場合は、70%近くが収益率4~6%の間に収まっています。ばらつきが少なくなり、元本割れはありません。 このことから、想定利回り5%は十分現実的な数字であり、長期投資することで元本割れのリスクを減らせることが分かります。ただし、これはあくまで過去のデータなので、未来の結果を保証するものではなく、最終的にはリスクとリターンのバランスを自己責任で考えて資産運用することが大切になります。
資産運用は少しでも早く始めることが大切
「2000万円貯めたい」と考えたとき、想定利回り5%で資産運用する場合、20年あれば毎月の積立金額は4万8658円で済むのに対し、10年で2000万円を貯めようとすると毎月12万8798円、約2.65倍の積み立てが必要です。毎月5万円以内なら貯められるという人はいても、毎月13万円近くとなると、厳しいと感じる人が多いでしょう。 加えて、積立期間が長ければ長いほど、元本割れのリスクを減らせると同時に収益率が安定します。つまり、積立期間が短ければ短いほど、月々に必要な積立金額が増えるだけではなく、安定した利回りを得ることも難しくなるのです。 NISAでの資産運用もあくまで投資であるため、さまざまなリスクをよく考えることが必要ですが、もし、資産運用での積み立てを考えているのであれば、なるべく長期で投資できるように、早いうちに検討するのが良いでしょう。 出典 国税庁 株式・配当・利子と税 金融庁 資産運用シミュレーション 執筆者:浜崎遥翔 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャルフィールド編集部