インバウンド復活で人気の国産「真珠」 需要増も…売り場は縮小 なぜ?
日テレNEWS
コロナ禍で激減していた外国人観光客が戻り、国産の「真珠」の需要が増えています。しかし農林水産省によると、真珠の収穫量はコロナ前の2019年を境に減少しているといいます。国産の真珠に何が起きているのでしょうか。 ◇ 日々増え続けている外国人観光客。東京にある「KOMEHYO新宿店」で今、売れているというのが、上品な輝きを放つ真珠です。 中国からの観光客 「この真珠良さそう」 フォーマルな場面のアクセサリーとして活躍し、亡くなったイギリスのエリザベス女王も愛用していました。 夏休みの「しながわ水族館」では、“真珠取出し体験”ができます(1000円 ※別途、水族館入館料)。真珠を作る代表的な貝、アコヤガイの中から、夢中で真珠を探し出す子どもたちの姿がありました。 子どもたちは、取り出した真珠を見て「とんがってる」と話すなど、1つ1つの貝が作り出す“この世に1つだけの形”を楽しんでいました。 真珠取出し体験担当 仲翔吾さん 「真珠といえば丸のイメージが強いんですけれども、まんまるの方が少ないぐらいですね」 ◇ 自然が生み出す神秘、真珠。そんな真珠に「異変」が起きています。 KOMEHYO新宿店 伊藤慶一郎チーフ 「この面がパールだが、以前はこちらもパールで、(今は)半分ほどになっています」 「真珠のネックレス売り場が半分に減った」と話すのは、中古品の買い取り、販売をする店です。原因は“品薄”です。購入する人は増えているものの商品が少なく、販売価格は去年の倍に跳ね上がっているといいます。 購入しているのは、主に海外からの観光客です。 真珠を見に来た中国からの観光客(20代) 「中国から来ました。真珠のピアスを探しに来ました。真珠は(ファッションに)合わせやすいので」 ◇ コロナ禍で激減していた外国人観光客が戻り、真珠の需要は増えています。しかし、農林水産省によると、真珠の収穫量はコロナ前の2019年を境に減少しています。なぜ収穫量が減ってしまったのでしょうか。 2019年、私たちは、その理由を三重県志摩市の産地で取材していました。 養殖業者 「こういうのが死んじゃった貝。これが死んでいますよね。これも死んでるし」 口を開けて死んでしまった貝。2019年頃から、アコヤガイが大量死するようになったのです。 現在の様子について、3日朝に養殖業者に聞いてみました。 真珠の養殖業者 原条正さん 「ここ4~5年は(大量死が)続いていますね。やはり真珠の量ですね。出来上がりの量がうんと減っている。多分、需要の方が多い。供給が少ないと思いますよ」 買い求める人が増える中で、真珠の供給が不足しています。 三重県水産振興課は、海水温が高い状態が続いていることなどがアコヤガイの大量死につながったとみています。 ただ養殖方法を工夫したことで、死ぬ貝の割合は減ってきていて、今後の収穫量は回復に向かうとみられるとしています。