OKXがUAEでサービスを開始──個人投資家に加えて機関投資家もターゲットに
暗号資産(仮想通貨)取引所OKXがアラブ首長国連邦(UAE)でサービスを開始し、ディルハム(AED)建てのオーダーブックを提供し、地元銀行と統合することで、個人顧客の獲得とこれまで暗号資産市場への参加に消極的だった機関投資家の取り込みを目指している。 OKX中東フィンテックFZE(フリーゾーンエスタブリッシュメント)がドバイの仮想資産規制庁(VARA)から完全な認可を取得してから9カ月後に開設された。これにより、取引量で世界4大暗号資産取引所の1つであるOKXは、UAE国外から通常は割高で流動性を購入するブローカーを介さずに、地元住民に市場へのアクセスを提供できるようになると同取引所の中東地域担当ゼネラルマネージャーであるリファド・マハスネ(Rifad Mahasneh)氏は述べている。 「我々は2つの目標を掲げている。UAEで選ばれる個人向けアプリとなること、そしてUAEの機関投資家をこの分野に参入させることだ」とマハスネ氏はインタビューで述べた。「投資収益は、従来の機関投資家を転換させる我々の能力から得られるだろう」。 規制されたデリバティブ商品、現地通貨建て商品、現地の銀行チャネルへのアクセスを組み合わせることで、これまで傍観していたグローバルな企業に安心感を与えることができるとマハスネ氏は述べた。 同社の銀行パートナーは、UAE初の完全認可を受けた完全デジタル銀行を自称するZand銀行だ。 OKXは、AEDでの銀行統合とAEDでのオーダーブック、個人および機関投資家向けサービスの組み合わせを初めて実用化した主要取引所であり、また、規制されたデリバティブを市場に初めて提供した取引所でもあるとマハスネ氏は述べた。 同社はこの地域で280のトークンと400の取引ペアを提供する。 バイナンス(Binance)とCrypto.comも、VARAから完全なライセンスを取得している主要な取引所だ。Crypto.comは8月にスタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)との提携を発表した後、同社のアプリ「sail」がUAEで利用可能になったと電子メールでCoinDeskに述べた。バイナンスは、UAEでサービスを開始したかどうかについて、CoinDeskのコメント要請に応じなかった。 VARAの公開登録簿によると、OKXのライセンスは9月17日に発行された。 「ライセンスは、VARAがこの分野で事業を展開する企業として当社を信頼していることを反映しているものだが、サービス開始前に完了すべきいくつかの条件が付いている」とマハスネ氏は述べた。「我々もその製品をテストしたかった。プロセス全体は、開始から完了まで24カ月かかった」。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:ドバイでの記者会見に出席したOKXの最高マーケティング責任者(CMO)ハイダー・ラフィーク氏、中東地域担当ゼネラルマネージャーのリファド・マハスネ氏、および社長のホン・ファン氏。(Amitoj Singh/CoinDesk)|原文:OKX Goes Live in UAE, Targeting TradFi Institutions, Retail Market
CoinDesk Japan 編集部