自作の"パーシモン"で米シニアツアー参戦を目指す男がいた! 最新テクノロジーより"柿の木"を選んだトッド・デムシ―とその理由
24年シーズンの出場権を懸けた米シニアツアーの最終予選会で1打足りず落選したトッド・デムシーの話題は、SNS上で大いに盛り上がった。なぜなら彼はいまどき珍しいパーシモンドライバーの使い手だから。ロールバック(飛ばないボール)問題が話題になる時代に、最新のテクノロジーには見向きもせず自家製パーシモンにこだわる理由とは?
パーシモンの使い手は51歳のトッド・デムシ―
「好きなクラブよりメーカーのクラブを使わなくてはならないのは、自分にとって苦痛でしかなかった」 という51歳のデムシーは、過去の道具で最高レベルの競争をすることを目指している。 自宅ガレージでパーシモンを削り、USGAの適合テストに承認されるクラブを作るのは大変だが、こだわりは捨てられない。予選会でキャディを務めた親友ジャド・ニーマン氏は、 「彼は生まれてくるのが30年か40年遅かった。ベン・ホーガンやサム・スニードたちとなら上手くいっただろう」 と語る。 アリゾナ州立大学のゴルフ部時代の92年には、ペブルビーチで開催されたカリフォルニアアマで優勝。そのときの2位と3位はデビッド・デュバルとジャスティン・レナードだった。 しかしこの頃、用具の新時代が到来。パーシモンからメタルへと移行するなか、デムシーは古いクラブを使い続けた。 97年にPGAツアーデビュー。それなりに活躍したが、02年に脳腫瘍を患い競技から離れることに。08年に復帰した頃に結婚し、2人の子供を授かりゴルフは休業状態。レッスンプロに転身した。 ところが50歳の誕生日が近づいたとき、突然競技でもう一度自分を試してみたい衝動に駆られた。 そして昨年から米シニアツアーの予選会に挑戦し続けている。 「パーシモンは中空の金属製ヘッドと比べ寛容性は低いが、しっかり打てば違いは5から10ヤードといったところ。十分に戦えます」 実はブライソン・デシャンボーが彼のクラブのファンで1本持っているというのも驚きだ。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年1月23日号「バック9」より
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