元テレ東アナ→医療系企業へ異色の転身 「客観的評価知ってみては?」で登録した転職サイトで知った現実
結婚、出産で高まった健康への関心
元テレビ東京アナウンサーの福田典子さん(33)は3月末に同社を退職し、4月1日から医療系テック企業での会社員とアナウンサー業の両立を始めた。福岡・RKB毎日放送での新卒入社から11年。健康とキャリアへの関心、経営者に「バイタリティーがすごい」と言わしめる人間力が、“複業”を可能にしていた。そんな彼女の素顔に迫った。(取材・文=大宮高史) 【写真】テレ東・福田典子アナ、キュートなミニ丈のゴルフウエア姿公開 福田さんの新しい職場は、歯科医院向けのクレジット決済サービスなどを手がける株式会社SCOグループの広報ブランディング部。「COC(Chief Oral health Communicator)」として、同社広報や健康にまつわる情報発信に携わっている。取材日は入社から1週間足らず。東京・丸の内での“OLライフ”も新鮮なようだ。 「テレビ東京時代は社内で出会う人、みなさんにあいさつをすることも日課にしていました。今の職場はたくさんの会社と一緒のビルに入居しているので、エレベーターに乗ってから降りるまで、みなさんが静かにしていることもカルチャーショックでした」 福岡県出身の福田さんは、立教大経営学部を卒業後、2013年に地元のRKB毎日放送に入社した。スポーツ番組などに携わった後、16年6月30日付で退社。同年8月にはテレビ東京に入社し、転職1年目から『モヤモヤさまぁ~ず2』のアシスタントに就任するなど、スポーツ、報道、バラエティーで経験を積んできた。2度の転職。いずれも小さなきっかけが縁につながったものだった。 「もともと、2度とも本気で転職するつもりはなく、テレビ東京に転職した時は、キー局でおそらく初めてとなるアナウンサーの中途採用試験が実施されると知り、 “記念受験”の感覚で受けました。新卒の時は1次面接で縁がなかった局でしたが、友達から『応募しないと絶対に縁はないんだから、宝くじだと思って受けてみたら』と言われて受けたら、内定をいただきました。そして、東京でアナウンサーをしつつ、『働き方を考えていかないと』と思ったタイミングで、ファミリーマート元社長の澤田貴司さんから『1度キャリアの客観的な評価を知ってみては』と勧められました」 そこで転職サイトに経歴を登録してみたところ、提示されたポジションは、年収がダウンするものばかりだったという。 「アナウンサーといっても資格があるわけでもなく、他の職種の経験もなかったので、未経験の仕事となると(年収が)200~300万円は下がるものばかりでした」 プライベートでは21年に結婚、同年に第1子を出産。母になったことで、健康への関心が強くなっていた。 「アスリートへの取材も多く経験し、競技で結果を出すために自身の体を把握すること、健康管理の重要さを知りました。私も声を使う仕事をしていながら、発声や良い表情の保ち方などを体系的に知る機会がありませんでした。そんな中、友達にも親になる人が増え、『限られた時間と体力をどう使うか』が関心事になってきました」