「ジェンダーレストイレ」廃止…「男女別」に改修 東急歌舞伎町タワー 何が問題? “理想のトイレ”どうあるべき?
日テレNEWS
東京都内の複合施設に、性別を問わない「ジェンダーレストイレ」という名前のトイレが設置されていましたが、批判を受けてなくなりました。経緯を説明します。
場所は、今年4月に開業した新宿区にある東急歌舞伎町タワーです。地下5階・地上48階の高層ビルで、ジェンダーレストイレが設置されていたのは2階です。2階には歌舞伎町タワーの目玉でもある飲食店が集まっているホールがあります。
その2階のトイレでは、ジェンダーレスの個室が8つ。女性用の個室が2つ。男性用の個室が2つ。多目的個室が1つ。 4種類、計13の個室が並んでいます。そして、手洗い場や鏡は共用となっています。
東急は「誰一人取り残さない」というSDGsの理念や、多様性を認容する街づくりといった観点から導入したということです。ただ、運用直後から批判の声が相次ぎました。 ●抗議相次ぎ…わずか4か月で ●理想のトイレって? 以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■「怖い」「化粧直ししにくい」「気まずい」 不安と抵抗の声多く
どのような抗議の声があったのでしょうか。例えばSNSでは「ひとりで並ぶのが怖い」「男性の前で化粧直ししにくい」「女性が不便で肩身の狭い思いをする」「女性は入りづらいし男性も気まずい」といった、“女性専用ではないことで不安感や抵抗感がある”という声が多くあがりました。
■抗議相次ぎ… 8月“男女別のトイレ”として再出発
東急は当初からさまざまな保安対策を行っていました。 ・警備員による巡回 ・防犯カメラによってトイレ共用部を常時監視する ・SOSボタンを設置する さらに不安の声を受けて、女性用の個室を増やしたり、女性用とその他の個室を分ける仕切りを設置したりといった対策をしてきました。
そして7月24日に改修工事に踏み切り、開業から約4か月たった8月4日、男女別のトイレとして使われることになりました。これまでにいろいろな声があった中、このかたちに落ち着きました。
■渋谷区の“誰もが使えるトイレ”は現在も運用中
トイレの問題といえば東京・渋谷区に設置された公衆トイレも議論を呼びました。今年2月、渋谷区の街中に設置された公衆トイレで、小便器が設置された「男性用トイレ」と、誰でも使える「共用トイレ」の個室が2つありますが、女性専用のトイレはなく、疑問や不安視する声があがりました。 区としては女性用トイレをなくすのを主軸としているわけではなく、性別や障害などに関係なく“誰もが使えるトイレ”を目的としていて、男性用の小便器を設置したのは「スムーズに利用できるようにするためのもの」だということです。現在も、設置当初と変わらない状態で運用されています。 今後、増えていく可能性もある「性別を問わないトイレ」ですが、どうしていくべきなのか。