実況アナが語る女子サッカーの魅力【身近に感じる編】5年間フルタイム出場”鉄人”にクスっと笑えるスタジアムDJ~愛媛FCレディース
私は4年間、アマチュア女子サッカーリーグ「なでしこリーグ」の実況を担当している南海放送アナウンサー小川貴弘です。年齢は27歳、育休もとった1歳の女の子の父親です。 女子サッカーにハマっています。彼女たちの生のプレーを是非、見て欲しいと思い原稿書いています。 私の地元チーム、愛媛FCレディースが所属する「なでしこリーグ」は1部・2部で構成され、全国で24チームが所属しています。愛媛は、アマチュア最高峰と位置付けられる1部で戦っています。 女子サッカーにはプロリーグである「WEリーグ」もありますが、愛媛の選手たちがプロ選手とは大きく違うのは「働いている」こと。練習も、選手の仕事が終わった夜、行われます。シーズン中は週末に試合があるので、彼女たちに休みはほとんどありません。仕事とサッカーのハードな両立をこなす選手も立派ですが、それを支える地元の企業の存在も重要です。私は心の中で、こうした彼女たちを支える存在を『ファミリー』と呼んでいます。 私が女子サッカーにハマったのは、こうした地域の活力を支える『ファミリー』の存在に勇気づけられたからでもあります。見る面白さに交流する楽しさ、そして地域の活力源としての女子サッカー。『身近に感じる編』です。 【オピニオン室 小川貴弘】
『ファミリー』の存在と”アットホーム”な楽しさ
愛媛FCレディースの選手はアマチュア契約を結んでいるため、普段はスポンサー企業で会社員として働いています。職場はスーパーマーケットや地元工務店、スポーツジムなど…選手たちが二足の草鞋を履けるよう支えているのが、私が『ファミリー』と呼ぶ存在です。 アマチュアリーグが地域の活力源として存在するには、選手自身の「サッカーが好き!」「活躍してプロになりたい!」という強い気持ちが”中心”になるのは当然ですが、それを”支える”地域の企業の存在が欠かせません。『消滅可能性自治体』なんて言葉が私たちを不安にさせますが、4年間の取材を通じて、こうしたコミュニティーで地域を守る大切さ感じます。 さて、「でも、試合見に行ったことないし…」「面白いの?」と試合会場に足を運ぶのをためらっているみなさん!安心してください。楽しみ方をお教えします。ポイントは”アットホームにホッコリ楽しもう!”です。 ①マッチデープログラム マッチデープログラムは選手たちの手書きオリジナル作品。選手たちの「試合前ルーティン」や「性格診断」、「幼少期の写真」など、試合会場で手に入れないと知りえないプライベートな情報が書いてあります。 ②キックオフ前のスタジアムDJ サッカーの試合には「背番号〇、△△(選手の名前)~!」というスタジアムDJがありますが、愛媛FCレディースはここにもアットホーム感があります。メンバー発表は、選手たちが考えたオリジナルキャッチコピーでご紹介!DJも選手たちが担当!かっこ良いものからクスッと笑えるものまで個性豊かです。 愛媛FCレディースの試合には、まだまだ多くの観客を呼び込む余地があります。でも、現在の観客数はトップチームの10分の1ほど。しかし「身近でアットホーム」な魅力を知ってもらえれば、きっともっと観客は増えるはずです。