人望厚いリーダー 明石商エースにエール 恩師・松田さん /兵庫
<センバツ2020> 3月19日開幕のセンバツで、大会屈指の好投手と評価される明石商のエース、中森俊介投手(2年)=写真=は丹波篠山市出身だ。市立篠山東中学で軟式野球部監督だった松田淳二さん(48)=現・県立和田山特別支援学校教諭=は「部活動は私生活という土台の上にある」と中森投手ら部員を指導。生活の乱れがルーズなプレーにもつながると諭した。中森投手は「社会で生きる姿勢を教わった。センバツで勝つ姿を見せたい」と活躍を誓った。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 松田さんによると、中森投手は、市立篠山東中の入学式で「誓いの言葉」を、卒業式で「答辞」を任された。生徒会長や、体育祭で応援団長を務めるなど人望が厚く、リーダーとして存在感が大きかった。 野球部でも主将。部員らが肉体的につらい時も、積極的に声を出し、チームを引っ張った。1年から投手と内野手を兼任、中学2年の秋からはエースに。球威はあったが、最初は制球に難があった。走り込みやフォームを固める努力を惜しまず、自分が納得するまで投げ込んだという。 打撃でも非凡なセンスを発揮。中学校のグラウンドは打席からフェンスまで約80メートルあったが、軽々と超える打球を飛ばし、ボールがなくなることもよくあった。加東市であった招待試合では、新人戦で負けた相手への雪辱とばかりに、飛距離約120メートルのホームランも放ち、周囲の度肝を抜いた。 チームメートは個性も野球のレベルも違った。中森選手が「助ける側」であることが多かったが、中森選手がミスした時に仲間がカバーする場面もあった。松田さんは「野球はチームで戦うスポーツ。人を助けることも、逆に助けられる時もある。そう学んでくれたと思う」と振り返った。 中森投手も松田さんの教えを胸に、学校生活と野球の練習に励む。「最後までやり通す先生の姿勢を尊敬している。苦しい場面でも粘る姿を見てもらいたい」と話した。【丸井康充、韓光勲】 〔神戸版〕