大波3兄弟 前へ前へ 若元春・殊勲賞 若隆景・幕下優勝 若隆元・勝ち越し さらなる飛躍誓う
東京・両国国技館で28日に千秋楽を迎えた大相撲初場所で、福島市出身の「大波3兄弟」次男で東前頭筆頭の若元春(30)は10勝5敗とし、昨年5月の夏場所以来4場所ぶりに2桁勝利を挙げた。横綱照ノ富士から金星を挙げ、初の殊勲賞にも輝き、来場所は関脇復帰を有力にした。三男で幕下筆頭の若隆景(29)は今場所全勝の幕下優勝で関取復帰が確実に。長男の西三段目3枚目の若隆元(32)は5勝2敗と勝ち越した。3兄弟そろって充実した結果を残し、来場所に向けさらなる飛躍を誓った。 若元春は大関候補と目されながら、昨年11月の九州場所で6勝9敗となり8場所ぶりに負け越し、西関脇から東前頭筆頭に番付を落とした。久々の平幕で迎えた今場所は「一からやり直す」と気持ちを切り替え、目の前の一番一番に集中。2日目には横綱照ノ富士と1分半を超えた熱戦を繰り広げ、初の金星を獲得。翌日の大関貴景勝からも白星を挙げ、1横綱1大関を倒した。千秋楽は錦木に快勝。左四つから右上手をがっちりとつかみ、腰の重い相手を寄り切った。
満足はしていない。都内で28日に開かれた荒汐部屋の打ち上げパーティーのあいさつで「番付を落としての三賞。優勝争いした横綱照ノ富士と琴ノ若に土をつけながらも自分は10勝にとどまった。来場所は自分らしい相撲で貪欲に上の番付を目指す」と大関昇進を見据えた。 復帰2場所目となった若隆景は13日目に7戦全勝の幕下優勝で今場所を締めくくった。昨年の春場所で右膝に大けがを負い、4場所連続休場を経て九州場所は東幕下6枚目で復帰し、5勝2敗。先場所まで右膝にはめていたサポーターが外れ、復活をアピールした。「先場所よりも体が動いた」と本人も手応えを実感。来場所は十両復帰が確実とされている。「けがで『なんで自分が…』と落ち込んだ時もあったが、周囲のおかげでここまで戻れた」と感謝を示した。「一場所でも早く幕内に復帰できるよう精進したい」と来場所に照準を定めた。 若隆元は首を痛め、先場所5日目から休場。2018(平成30)年初場所から維持した幕下から西三段目3枚目に番付を落とした。「痛みとうまく付き合いながら取り組めている」と今場所は勝ち越し、幕下復帰に望みをつないだ。「今年最初の場所で弾みをつけられた。幕下上位を目指す」と意気込みを語った。