<わたしたちと音楽 Vol.32>ヒグチアイが語る、強い言葉を使わずにリスナーに選択を委ること
【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】(WIM)の日本版実施に伴い展開されている、独自の観点から“音楽業界における女性”にフォーカスしたインタビュー連載『わたしたちと音楽』。Vol.32となる今回は、2024年1月24日に5thアルバム『未成線上』をリリースしたばかりのヒグチアイが登場した。 女性たちの等身大の声を丁寧に届けてきたヒグチアイ。そんな彼女が楽曲制作において気を配っているのは、「最低限、強い言葉にならないように、考え方を人に強要しない」ことだという。“自分はこう思う”という答えは、自分自身で見つけるものだと説明すると、「人に押し付けられてしまうのは、自分にとっても聴いた人にとっても良くない影響」だと述べ、提示した選択肢の中から“何を選び取るか”はリスナーそれぞれに行ってほしいと語った。 2019年に自ら立ち上げた「うふふプロジェクト」では女性たちの声をたくさん集めてきたが、この活動を通じて見出したのは「普段自分にスポットライトが当たるなんて思ってもいないような子たちにスポットライトを当てて、思いを曲にしたい」という想いだ。「“曲にもなる人生だ”ということを知ってほしいなってずっと思っているんですよね。普通に生きて普通に働いている人たちが諦めてしまったら、変わっていくべきことも変わらないんじゃないかな」と説明すると、「その人自身が自分の人生に起きたことを“取るに足らない”と思ってしまったら、それ以上の変化は起きないんじゃないかなって思うんです」と付け加えた。 さらには、女性シンガーとして、長く活動を続けるために大切にしているのは、「ファストフード的な曲を作らないこと」だと述べると、「一生歌えるような曲を書いていきたいんです」と明かした。 インタビュー全文は特集ページにて公開中だ。また、【ビルボード・ジャパン・ウィメン・イン・ミュージック】の特設サイトでは、これまでのインタビューやプレイリストなどをまとめて見ることができる。 2007年からアメリカで開催されている【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】は、音楽業界に貢献した女性を表彰するアワードで、2023年版は3月に実施された。日本では、インタビューやライブ、トークイベントといった複数のコンテンツから成るプロジェクトとして2022年秋にローンチした。2月8日にTOKYO DOME CITY HALLで開催される【Women In Music vol.2】では、様々なポップス&ロックのアーティストとクラシック・オーケストラの共演を実現してきたビルボードクラシックスとタッグを組み、家入レオと加藤ミリヤがオーケストラとともに力強い歌声とメッセージを届ける。 Photo: Kazuharu Igarashi ◎公演情報 【Billboard JAPAN Women In Music vol.2】 日時:2024年2月8日(木)18:00開場/19:00開演 会場:東京・TOKYO DOME CITY HALL 出演:家入レオ、加藤ミリヤ(※五十音順) 指揮:齋藤友香理 管楽器:東京フィル・ビルボードクラシックスオーケストラ チケット:S席10,500円、A席9,000円(ともに税込) ※小学生以上チケット必要、未就学児入場不可