自宅に「小さな美術館」 南城市知念の安和さん 収集した陶磁器や絵画、無料公開 カフェも併設 沖縄
南城市知念の県営知念団地近くにある「cafe森のテラス」のオーナー安和朝忠さん(78)は、20年ほど前から焼き物や絵画など美術・骨董(こっとう)品を収集してきた。集めた美術作品を多くの人に見てもらい、心のビタミンにしてほしいと、このほど自宅に「森の小さな美術館」をオープンさせた。 収集してきたのは中国製を中心に陶磁器約100点、絵画、版画も地元作家を中心に100点ほどある。また、画集や美術関連などの書籍が50冊ほどある。 安和さんは沖縄県の台湾事務所に勤務していた頃から中国の陶磁器の収集を始めた。そして絵画にも興味を持ち、買い求めてきた。約3千年前のアンダーソン土器の壺や唐三彩などがある。 絵画では、明治から昭和にかけて活躍した風景画の第一人者で国際的な評価も高い吉田博が1912(明治45)年に沖縄の市場風景を描いた作品がお気に入りの一つ。一人で見るのはもったいないとして自宅を美術館にして収集美術作品の参観を無料公開している。
当初3千坪の山野を切り開いていろんな花が咲く庭園「シャングリラ」を造成し、その中に自宅とカフェ「森のテラス」も併設した。今はカフェの運営は息子に任せ、安和さんはNPOの仕事もしながら、毎朝庭園を散歩し、収集した美術作品を眺めて癒やされているという。 展示品以外にもかなりの作品があり、随時入れ替えて展示するという。手入れされた庭を散策しながら、気軽に訪れてほしいという。駐車場も完備しているのでドライブついでに立ち寄れる。隣のカフェで庭園越しに久高島を見て一服するのもおすすめだ。 (喜屋武幸弘通信員)
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