大河「べらぼう」で語りの綾瀬はるか、起用理由に「耳にすっと入る親しみのある声」
語りは、大河ドラマ「八重の桜」(2013)で主演を務めた綾瀬はるか。明和の大火を無事逃れ、復興した吉原に戻ってきた九郎助稲荷(くろすけ・いなり)として、吉原、江戸、そして蔦重を天から見守り、時に蔦重に寄り添いながら物語を案内していく……というユニークな設定も話題を呼んだが、初回を観た森下は「割とノリノリでやられている感じがした」とその印象を語り、「以前から綾瀬さんの声って聞きやすいというか、耳にすっと入ってくる声だと思っていて。このドラマは説明しなければいけないことが多いので、親しみのある声の人がいいなと」と起用の理由に触れる。
語りを九郎助稲荷の設定にした理由については「人が語りっていう発想はそもそもなく、吉原から始まってずっとこの人たちと蔦重を見守ってきた存在ってなんだろうっ思った時に、もうお稲荷さんが語るしかないよねっていう感じでした」とのこと。
そして、本作には多くの絵師たちが登場するが、中でも気になるのが素性が不明とされる東洲斎写楽。森下は「学術的には斎藤十郎兵衛で一応落ち着いてはいるんですよね。でも100パーセント確定は絶対できない。そういう状況の中で、私としては写楽が誰かということよりも、なぜ蔦重が写楽をやったのかというところに焦点を当てていきたいなと。なぜ蔦重があの時期に。画期的といえば画期的ですが、売れる売れないでいうと、当時としては失敗なんですよね。なぜそんなことを、人生の最後になって、しかももうお金もない時期に? っていうのを最大の謎として私自身も考えていきたいなと思っています」と期待をあおった。(編集部・石井百合子)