1分30秒でハマる! 『ブルアカ』『ゆるキャン』など春アニメ「神OP」6選
2024年春アニメの放送が4月から始まった。今期もクオリティの高い作品がいくつも揃っているが、あまりに数が多いため、どれを観るべきか迷ってしまうという人もいるのではないだろうか。 【写真】『ガールズバンドクライ』は春アニメの“神回”としても注目 そこで本稿では、各アニメで流れるオープニングの曲と映像に注目。現時点で公開されているものの中から、独断と偏見で“神OP”を6つ選んで紹介していきたい。 『ブルーアーカイブ The Animation』 OP楽曲:アビドス高等学校対策委員会「青春のアーカイブ」 今期屈指の神OPとして話題を呼んでいるのが、スマートフォンゲーム『ブルーアーカイブ』を原作とした『ブルーアーカイブ The Animation』。YouTubeで公開されているノンクレジットOPは、公開から1週間で200万近くの再生数に到達している。 OP映像はげそいくおと10+10が絵コンテ・演出を手掛けており、瞬く間にさまざまなキャラクターの日常と活躍が映し出されていく豪華な作り。一度見ただけでは情報を処理しきれないほど膨大なカット数となっている上、各カット単体で見てもゲーム内のスチルと遜色ない完成度だ。 とくに注目すべきは色彩へのこだわりで、原作のポップな色合いを完全に再現し、“透き通るような世界観”をアニメ化することに成功している。 なおOP曲の「青春のアーカイブ」は、『恋愛裁判』などで知られる人気ボカロプロデューサー・40mPが作詞・作曲・編曲を手掛けており、ホシノ(花守ゆみり)、シロコ(小倉唯)、ノノミ(三浦千幸)、セリカ(大橋彩香)、アヤネ(原田彩楓)の歌声がハーモニーを奏でている。 『WIND BREAKER』 OP楽曲:なとり「絶対零度」 『マガジンポケット』(講談社)連載の不良バトルマンガを原作とした『WIND BREAKER』も、疾走感のあるOPで話題を呼んでいる。 楽曲を手掛けているのは、「Overdose」などの大ヒット作で知られるシンガーソングライターのなとり。元々原作ファンだったため、作品への理解度が高いようで、刺々しくもエモーショナルな歌詞が原作の世界観と絶妙にシンクロしている。 また、1分30秒を全速力で駆け抜けるようなテンポのいいサウンドと、感情をぶつけるようにかき鳴らされるギターの音色も大きな魅力だ。 楽曲だけでなく映像のクオリティも高く、アニメーション会社CloverWorksによるハイクオリティな作画を堪能できる。とくにサビの部分で流れる主人公たちのバトルアクションは出色の出来だ。 『ガールズバンドクライ』 OP楽曲:トゲナシトゲアリ「雑踏、僕らの街」 『ガールズバンドクライ』は、東映アニメーションによる完全新作オリジナルアニメ。『ラブライブ!』シリーズの人気脚本家・花田十輝がシリーズ構成を手掛けており、5人の少女たちがロックバンド「トゲナシトゲアリ」を結成し、自分の未来を切り拓いていく青春ストーリーとなっている。 アニメとバンドが連動した企画で、「トゲナシトゲアリ」のメンバー兼声優を務めるのは、リアルオーディションによって選出された面々。OPではそんな彼女たちの楽曲「雑踏、僕らの街」が使用されており、限界を突き抜けるようなアップテンポなサウンドが物語を彩っている。 また、OP映像はキャラクターが歌に合わせてリップシンクしており、MVのような作りになっているのが特徴。後半ではライブ会場を舞台としたド迫力の演奏シーンも描き出される。 『ゆるキャン△ SEASON3』 OP楽曲:キミのね「レイドバックジャーニー」 人気アニメ『ゆるキャン△』のTVシリーズ3期では、ボーカル・つむぎしゃち、サウンドプロデュース・久下真音、バイオリン・大谷舞による新進気鋭の音楽ユニット「キミのね」がOP主題歌を担当。「レイドバックジャーニー」というタイトルの名曲を生み出した。 軽快な女性ボーカルに脱力系のラップ、伸びやかなバイオリンの音色……。いずれも『ゆるキャン△』の世界観にぴったり合っている。さらに旅の始まりを予感させるようなサビの転調も魅力的だ。 またOP映像は、ポップなイラストと実写風の演出が結びついたオシャレな仕上がり。スタッフのクレジットが画面内のオブジェクトと一体化して表示される、タイポグラフィ的な演出にも心をくすぐられる。 『魔法科高校の劣等生 第3シーズン』 OP楽曲:LiSA「Shouted Serenade」 アニソンの女王・LiSAの新たな“神曲”が誕生した。楽曲のタイトルは「Shouted Serenade」で、『魔法科高校の劣等生』第3シーズンのOP主題歌に使用されている。 疾走感に満ちあふれたロックサウンドで、LiSAの高い歌唱力や力強いがなり、熱いシャウトを堪能できる1曲。さらにファンにとってうれしいのは、彼女の代表曲である「Rising Hope」を強く意識した作りになっていることだ。 LiSAが2014年放送の『魔法科高校の劣等生』第1シーズンで歌ったのが「Rising Hope」だったが、今回は約10年ぶりに同作のOP主題歌を担当。作曲・田淵智也、編曲・堀江晶太という前回と同じ布陣で、曲の構成にセルフオマージュ的な要素が散りばめられている。そして歌詞にもつながりがあり、「握ったメッセージのその先へ」というエモーショナルなフレーズまで登場する。 もちろんOP映像もアクションシーン満載の熱い仕上がり。シーズン1のOPと見比べてみると、キャラクターの数が増え、物語がより壮大なスケールになっていることを実感できるだろう。 『Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ』 OP楽曲:フェンリース(CV:釘宮理恵)「旦那様とのラブラブ・ラブソング」 さまざまなアニメでカッコいいOPが流れるなか、“カワイイ”に全振りした神OPも。『Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ』のOPでは、人気女性声優の“くぎゅ”こと釘宮理恵による破壊力抜群のラブソングが披露された。 同作で釘宮が演じているのは、ケモ耳娘的な見た目のフェンリースというヒロインで、日野聡演じる主人公・フリオが大好きという設定。OP曲「旦那様とのラブラブ・ラブソング」は、「旦那様」と連呼しながらフリオへのちょっと重い愛情をひたすら爆発させるような歌詞となっており、“釘宮ボイス”の真骨頂としてSNS上で大きな話題を呼んでいる。 曲だけでなく、OP映像も徹底的にカワイイ作りになっていて、フェンリースが甘い歌詞に合わせてダンスするポップな振り付けが見どころだ。 ちなみに日野が主人公、釘宮がヒロイン、アニメ制作がJ.C.STAFFで監督は岩崎良明……という布陣は、2000年代に一世を風靡したアニメ『ゼロの使い魔』とまったく同じ。アニメOPをきっかけにノスタルジーに浸る人も続出しているようだ。 今回は6つの作品しか紹介できなかったが、ほかにもさまざまなアニメのOPが注目を集めている。まだ放送が始まっていない作品もあるので、ぜひ見逃さずにチェックしてみてほしい。
キットゥン希美