渡河作戦の拠点から撤退 ウクライナ軍、南部で苦戦
【キーウ共同】ウクライナ軍による南部ヘルソン州のドニエプル川の渡河作戦について、複数のウクライナメディアは16日、同国軍が拠点を構築した南岸の集落クリンキから撤退したと報じた。渡河作戦はロシア占領地奪還に向けた南部戦線の焦点で、ウクライナの苦戦が明らかになった。 軍の情報筋はウクライナメディアに「集落は大きく破壊され、維持する意味がなくなった」と述べた。 ロシアは2022年2月にウクライナに侵攻し、ドニエプル川の下流域に位置するヘルソン州を制圧したが、ウクライナが22年秋、北岸の州都ヘルソンを奪還した。23年10月ごろからは南岸への渡河作戦を本格化させ、クリンキなどに拠点を構築。しかし渡河作戦は危険度が高く、奪還地域は広がっていなかった。 ウクライナ軍が、クリンキ以外の南岸の拠点を維持しているかどうかは明らかになっていない。 一方、ウクライナ軍の無人機攻撃が続いているロシア西部ベルゴロド州のグラトコフ知事は16日、情勢が緊迫しているとして同州内の14集落について23日から立ち入りを制限すると発表した。