熊谷さんが立ち上げたサッカークラブ「FC　PRIROSSO」の選手たち。後列右が日ケ久保監督

　Jリーグ・鹿島アントラーズなどでプレーし、引退後も同チームのコーチやヴァンラーレ八戸のゼネラルマネジャー（GM）を歴任した熊谷浩二さん（49）＝青森県十和田市出身＝が、同市で中学生を対象としたサッカークラブ「FC　PRIROSSO（プライロッソ）」を今年4月に設立した。代表としてクラブを運営する熊谷さんは「サッカーを通じ、これからの人生にプラスになるように育成していきたい」と話す。 　同市に中学生のサッカークラブがない－という地域の声を聞き、「部活動の地域移行の受け皿にもなれたら」と設立した。設立準備を始めたのは年明けからだったが、予想外に人数が集まったため県のサッカーリーグに登録し、公式戦にも出場。現在同市を中心に16人が所属し、週3回ほど練習を行っている。 　主将の竹ケ原青空（そら）さん（十和田東中3年）は「サッカーがやりたくて来ているメンバーたちと練習するのが楽しい。パス回しや体の使い方がうまくなり、前よりも勝てるようになった」と話す。 　同クラブは「体験型」、「人間力」の2本柱を育成方針としている。熊谷さんの人脈を生かし、元日本代表を呼んだサッカー教室の開催やJリーグの観戦のほか、鹿島アントラーズの小学生・中学生チームを招き、交流試合も行っている。 　人間力の向上について監督の日ケ久保大樹さん（29）は「失敗した時には、どうして失敗したのかを考えさせている。あいさつや自分の行動に責任を持つことも教えている」と話す。 　クラブ名は英語の「誇り」とイタリア語の「赤」を合わせた造語。赤色が好きな熊谷さんがクラブに誇りを持ち、名前に恥じない取り組みをしてほしい－と名付けた。熊谷さんは「まずは皆さんにクラブのことを知っていただきたい。Jリーグをはじめ、さまざまな分野で活躍する選手を輩出したい」と話した。 　年内に今年2回目の体験会を実施する予定。対象は小学6年～中学3年。問い合わせは日ケ久保監督（電話080-1654-3606）へ。