アッヴィ株急落、統合失調症薬が効果示さず-2つの中期臨床試験
(ブルームバーグ): 11日の米株式市場で米製薬会社アッヴィは4年強ぶりの大幅下落となった。統合失調症治療薬が2つの中期段階の臨床試験で主要目標を達成できなかった。
統合失調症治療薬「エムラクリジン」はアッヴィが今年評価額87億ドル(現在のレートで約1兆3400億円)で買収したバイオ医薬品会社セレベル・セラピューティクスの新薬候補だった。買収により統合失調症治療薬の強化を目指したアッヴィにとって打撃となった。
アッヴィは11日の発表資料で、エムラクリジンの臨床試験では統計的に有意な改善は示されなかったと明らかにした。同社は今後の措置を決めるため、このデータを分析する予定。
アッヴィの株価は12.6%安と、2020年3月以来の大幅下落で通常取引を終えた。年初から8日までの騰落率はプラス29%と、同時期のS&P500種株価指数の上昇率(26%)を上回っていた。
アッヴィは主力の関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」の販売低迷を受け、ここ数年、新薬候補の拡充を図り大型「企業の合併・買収(M&A)」を行っていた。
エムラクリジンの効果が見られなかったことは、今年9月に統合失調症治療薬が米当局の承認を受けたブリストル・マイヤーズスクイブの勝利と見なされた。ブリストル株は10.5%高で終了。
原題:AbbVie Tumbles After New Schizophrenia Drug Fails Two Trials (2)(抜粋)
--取材協力:Robert Langreth.
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Gerry Smith