デジタル社会の重要基盤「海底ケーブル」関連の有望11銘柄
世界中に敷設されている海底ケーブルの総延長は地球の約30周分。それでも、急増するデータ通信量を賄えそうにない(写真:norimoto/PIXTA)
日本と欧州連合(EU)は7月3日、日欧間で大量のデータを安全で安定的にやり取りできる海底ケーブルの新ルート施設を財政的に支援することで合意、覚書を交わした。新ルート候補としては、日欧を最短で結ぶ「北極海ルート」を示している。ウクライナ情勢を踏まえて、ロシア国内を通さずに日欧を結ぶことを念頭に置いている。 海底ケーブルは、人間の髪の毛ほどのガラス製の光ファイバーを何本か束ねて、その周りを金属などで巻いてケーブル状にしたものだ。日本と海外を結ぶ国際通信の99%を担う重要インフラであり、有事の際の通信確保など経済安全保障の面でも重要性が増している。 現在、日欧間の通信は、太平洋からアメリカ経由で大西洋を走るルート、東南アジアからインド洋と中東を経由するルート、ロシア国内を通すルートの3つがある。今回の北極海ルートは、北海道からアラスカなど北アメリカ北部の北極海を経由して、ノルウェーやアイルランドなどヨーロッパ諸国を結ぶもので、ロシアの沖合を回避でき、安全保障上のリスクを低減できる。 また、従来の3ルートに比べて通信距離が2~3割短くなり、その分、通信の安定性や速度が増す。すでに日本企業などによる調査が始まっており、実現すれば巨大プロジェクトになる。
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野津 滋