同棲中の彼氏宛てに年金の「督促状」が届いていました。このままだと自分も差し押さえられますか? 代わりに払うべきでしょうか…?
日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人は、国民年金に加入する義務があります。とはいえ、経済的な理由によって年金保険料を支払うことができない人もいるのではないでしょうか。 しかし、支払わないまま放置していると、差し押さえられる事態に陥るかもしれません。では、年金未払者と同棲中の場合、その相手も差し押さえられることはあるのでしょうか。どのような対応を取ればよいのかとともに解説していきます。 ▼年金機構から「差し押さえ」の手紙が届いた! 口座残高「ゼロ円」で差し押さえる財産がなければ大丈夫?
差押えまでの流れとは?
日本に住む20歳以上60歳未満の人は、原則として国民年金保険料を納付しなくてはなりません。ただ、納付期限までに納付しなかったからといって、いきなり財産が差し押さえられることはありません。財産の差押えに行き着くまでには段階があるのです。 まず、「日本年金機構」の職員または委託された民間事業者が未納者に対して、電話や文書で「納付勧奨」を行います。何度、日本年金機構職員や民間事業者が納付勧奨を行っても、保険料が納付されない場合、次は「最終催告状」が自宅に送られてきます。最終催告状に記載された指定期限までに保険料が支払われない場合、「督促状」に切り替わるのです。 督促状の指定期限までに未納分の保険料を支払わなかった場合、「延滞金」が発生するため、気をつけましょう。この督促状が届いても、支払わなかった場合、いよいよ財産が差し押さえられます。 財産の差押えに入ったときに連帯責任があるのは、「連帯納付義務者」と呼ばれる人たちです。連帯納付義務者は世帯主および配偶者です。例に挙げたように同棲中であれば、籍には入っていません。そのため、同棲中の彼氏の財産が差し押さえられることになっても、一緒に財産が差し押さえられることはありません。また、代わりに支払う義務もないのです。
経済的に年金保険料を支払えない場合は?
経済的に年金保険料の支払いが難しい場合、納付を免除または猶予してくれる制度を利用しましょう。支払いを猶予してくれる制度には、「学生納付特例制度」「納付猶予制度」があります。また、免除してくれる制度には、「全額免除制度」「一部免除制度」があります。 これらの制度は、一定の条件を満たせば利用することが可能です。猶予・免除期間中は財産を差し押さえされる心配はありません。しかも、猶予・免除期間は「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」の受給資格期間に算入されるというメリットもあります。 ただし、年金保険料を全額納付した場合と比べると、老後、受け取ることができる年金額が低くなります。しかし、10年以内であれば、年金保険料を追納することが可能です。年金額を増やしたい場合は、追納するとよいでしょう。
同棲中の恋人には年金保険料の連帯納付義務なし
年金保険料の連帯納付義務者は、世帯主および配偶者です。同棲中の恋人は対象外です。そのため、同棲中の彼氏の財産が差し押さえられることになっても、一緒に彼女の財産が差し押さえられることはありません。 また、代わりに支払う義務もないのです。経済的に年金保険料の支払いが難しい場合、納付を免除または猶予してくれる制度があります。彼氏にこれらの制度の利用を勧めてみてはいかがでしょうか。 出典 日本年金機構 日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収) 日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部