濃緑に映え涼を呼ぶ白い花々 ヒグラシの大合唱に包まれ歩く、短い霧島連山の夏〈動画アリ〉
6月に入ってミヤマキリシマの季節が終わり、霧島神宮(鹿児島県霧島市)のお田植え祭がある頃、霧島連山の緑は一段と濃くなる。花の主役は、緑に映える白系に移る。 【写真】【キリシマギンリョウソウ】4センチほどのろう細工のような姿。薄暗い場所にひっそりと咲く=6月19日、大浪池登山道
ふわふわとしたタンナサワフタギ、丸く分厚い花弁が目を引くオオヤマレンゲ、優雅なナツツバキ…。白い花々は涼しさを呼び、蒸し暑さを一瞬忘れさせてくれるようだ。 一風変わった姿を見せるのは2022年に新種と発表されたキリシマギンリョウソウだ。大浪池登山道で、ろう細工のような花茎の先に淡いピンクの花を咲かせていた。 7月になると、夏真っ盛り。17日、高千穂河原からえびの高原に向かう県道は、「カナカナカナ」とヒグラシの大合唱に包まれていた。霧島の盛夏を代表するノリウツギとリョウブがあちこちでほころぶ。ノリウツギの周りには、旅をするチョウとして知られるアサギマダラが飛び交う。 平地より短い夏をおう歌した連山は、8月には早くも秋の気配。コバギボウシ、ムラサキシキブ、ヤマジノホトトギスなど秋に向かって野山を少しずつ紫色に染めていく。
南日本新聞 | 鹿児島