【小児科医が教える】赤ちゃんの「夜泣き」に効く漢方、知ってますか?
子どもに与えてもOKな漢方って? 「子どもには、少しでも体によいものを食べさせたい!」ですよね。 でも、ごはんは毎日のこと。なるべくシンプルで簡単に済ませたいものです。 この連載は、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生によるものです。 本書の読者からは、 「子を持つ親として、食事の大切さがよくわかった」 「本を読む習慣がない私でも読みやすく、頭に入りやすかった」 「何度も読み返したい本!」 といった声がたくさん届いています。不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験によってわかった本当に子どもの体と脳によい食事。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。 今回は少し目線を変えて、子どもの漢方について解説します。 ※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。 ● 「漢方薬」って何? 私のクリニックでは漢方薬をよく処方しています。漢方薬は、今から1000年以上前に中国からもたらされた医学が、日本で独自に発展した日本の伝統医学です。 漢方は「全体を診る」という考えで実践されます。西洋薬はAの病気にはAの薬を処方する一対一の対応が多いですが、漢方薬は患者さんの体質・タイプ全体を診て選びます。 ● 「漢方薬」は子どもにも効く 漢方薬は、 「体質改善のためのもの」 「すぐには効かず、何か月も続けなきゃいけないもの」 というイメージを抱く方も多いと思います。 しかし、急性期に使えてすぐに効果が出るものもあります。また、赤ちゃんの夜泣き、幼児のおう吐、下痢、発熱、学童の不安症、夜尿症など、多方面に有効な漢方薬がたくさんあるのです。 「葛根湯」などはドラッグストアで売られていますが、医師が処方するものとは濃度が異なります。小児にもやさしい漢方薬をいくつかご紹介しましょう。ただし、症状に対して漢方を選ぶというよりも、体力がある子ない子など、体質・タイプによって選ぶので一覧は参考までに。処方は漢方薬を扱いなれている医師に任せましょう。保険が適用されるのでお財布にもやさしいですよ。 夜泣きに効く:甘麦大棗湯(かんばくだいそうとう) 乾いた咳に効く:麦門冬湯(ばくもんどうとう) 鼻水に効く:小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 下痢・吐き気に効く:五苓散(ごれいさん) 便秘に効く:麻子仁丸(ましにんがん) (本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本から一部抜粋・編集したものです)
伊藤明子