女優・とよた真帆 歌に呼び込まれて 亡き夫・青山真治さんに褒められ…〝シンガー〟の夢を実現「楽しい企画にラフな気持ちで」
歌手活動の本格化は
「青山の声を残したいと思う気持ちがありました(『もう少しよ』)。私が作詞した曲も残っていたし、自主制作だったら好きな曲が歌えるなって」
カバーしたのは浅川マキ、ちあきなおみら。大ヒット曲とは違う、少しマニアックな選曲にも映る。
「『夜へ急ぐ人』はちあきさんの曲のなかで一番好き。めちゃくちゃカッコいいです。代表曲の『喝采』とかも素晴らしいけど、私は違う曲に響いてしまう。私としては真っ直ぐな曲でも、ほかの人から見たら斜めからなのかもしれません」
惹かれる曲はやはり役者ならでは。
「曲の世界を演じることができる、イメージできる歌が好き。感情が乗っていかなければダメ。リズムと言葉だけの音楽はいくらノレても興味がわきません。35年間、俳優としての思考回路で暮らしてきたので、物語に入り込むのがベース。ストーリーがあって明確にイメージできるかどうかなんです。絵を描くのも同じ。何かしらメッセージがあれば描けますが、なければ描けません」
周囲からは、歌手活動の本格化を望む声も聞こえてくる。
「面白いライブがあればゲストで参加してみたいです。でもワンマンについては、アルバムを1枚出しただけで、私を見て(!)という性格ではありません。アルバムは私が言い出したことだから手配も交渉も全部自分でやりましたが、ずっと不安で気が張っていました。ライブも多くの方に協力していただかないとできないので、それが大変。俳優とはスイッチの入り方も違うし、音楽が真剣勝負になるとハッピーなのかな(?)と思います。楽しい企画にラフな気持ちで出たいです」
垣間見えた生真面目さも魅力のひとつ。役者以外の業種にも多く携わり自身を磨き貫いてきたからこそ、嘘は必要ない。
「普通にできることから好きなことまで、嫌なことはやってきていないですね。これからも役者のお仕事をベースに持ちつつ、好きなことをやっていきたい。歌もそのなかのひとつです」