大谷翔平 凱旋三塁打 古巣エンゼルス本拠地「WELCOME BACK」MVPコール沸き起こる「本当に感謝しかない」
「エンゼルス2-6ドジャース」(3日、アナハイム) ドジャースの大谷翔平選手(30)が昨季まで所属した古巣エンゼルスの本拠地に移籍後、レギュラーシーズンでは初めて凱旋。両軍ファンが集結した伝統のフリーウェイ・シリーズで三回には同点適時三塁打を放ち、大歓声を浴びた。3年ぶり2度目の100打点に王手。チームは延長戦を制して貯金を29に積み上げた。 場内スクリーンに「WELCOME BACK」の文字が躍る。一回の打席に入る大谷が大きな歓声と拍手で迎えられた。移籍後、レギュラーシーズンでは初めて臨んだ古巣球場でのフリーウェイ・シリーズ。青と赤。両軍のファンが入り交じった観客の中には立ち上がり、MVPコールを合唱する姿もあった。 「エンゼルスのファンの方には本当に感謝しかない。きょう、ここでプレーできたというのが良かった。自分にとって大きなことだった」 エ軍での6年間は一度もポストシーズンに進むことはできなかったが、自身は18年に新人王、21年と23年にはMVPを受賞。二刀流を確立し、地元ファンから愛されてきた。 感謝の気持ちをバットでも表現した。1点を追う三回無死一塁。甘く入ったカーブを右翼線へ時速181キロの弾丸打球で適時三塁打。「声援は選手としてありがたいですし、本当に心強い」。ふたたび、MVPコールが沸き起こった。 1点を勝ち越した延長十回1死二塁の場面では申告敬遠を受けた。快音を期待したファンの大ブーイングが響き渡る中、次打者ベッツが初球を劇的3ラン。「さすがの一言。うちとしては一番いい形で勝てた思う」と同僚の殊勲打を称えた。 試合前には来季の二刀流復活を見据えてキャッチボールを行った。向かった先は、エ軍時代に慣れ親しんだ右中間フェンスだ。「ずっとあそこでやってたので、きょうもやりました」。思い出が詰まった場所で大きな手術痕が残る右腕を振った。 感謝の気持ちで臨んだ試合に競り勝ってチームの貯金は両リーグ最多の29。2位パドレスとのゲーム差を5・5に広げた。「最後までみんなで(力を)振り絞って頑張りたい」。大谷が自身初の地区優勝、プレーオフ出場に向かって突き進む。