【エイジズム】年齢による差別「いい年だから…」「若者は」 解消への取り組み…“定年なし”アパレル勤務も
「エイジズム」について街の人に聞いてみると… ──エイジズム知ってますか? 知らない(37) 「初めて聞きました」 知らない(42) 「聞いたことないです」 知らない(80) 「聞いたことはあるけど、よくわからなかった」 多くの人が“知らない”と答えた「エイジズム」。実は、日常にあふれているんです。 年齢というと… 79歳 「席を譲ってくれる方もいますけど、やっぱり中には『年寄りだからってなんだよ』っていう顔でされることもある」 高齢者への「エイジズム」が思い浮かぶかもしれません。しかし、「エイジズム」は年齢問わず、誰にでも関係があることなんです。
「若いもんは、これだから…」 会社などで、年上の人が年下へ発したこの言葉。街で話を聞くと… 22歳 「高齢層の方ほど、ずばずば『若いもんはこれだから』みたいな…」 年齢が若いというだけで、ネガティブな印象をもれたり、年齢だけで判断され、持っている能力などを十分に発揮できなくなったりする可能性があります。
さらに、家庭内で何気なく言った言葉も「エイジズム」になっていることがあるんです。 例えば母親に対して… 「お母さん、もっと若かったらなあ」 このような言葉も「エイジズム」です。
母(58) 「『お母さん、もっと若かったらな』とか言われましたけど」 娘(18) 「考えがたまに古いな、と思っちゃうときがある」 子どもが親の年齢についてネガティブな指摘をすることも「エイジズム」です。逆に、親が子どもへ年齢を理由に結婚や恋愛を否定したり、選択肢をせばめてしまうのも、「エイジズム」のひとつです。 WHOの報告書によると、職場において従業員の心身に悪影響を与えるとしていて、アメリカの1万人規模の企業では、1年間で約5000日分の欠勤と、60万ドル(日本円約9400万円)ほどの損失が生まれているといいます。
埼玉県内の吉川市立吉川中学校で行われていたのは、「エイジズム」に関する授業です。 中学2年生 「数人で集まって、こういうことも実はエイジズムだった、みたいなことを話した」 この中学校で“授業”を行ったのは「LIFULL」という様々な事業を通して社会課題の解決に取り組む企業です。“授業”では「エイジズム」の経験を話し合ったり、映像や絵本を見たりして知識を深めます。
その絵本には… 「歳をとったら引退しなきゃ、なんてない。」 生徒たちは、学校の出来事だけでなく、会社の制度の問題や世の中の既成概念など、多岐にわたるテーマに向き合いました。 中学2年生 「年齢の壁はいい意味で、あった方がいいものもあるし、ない方がいいものもあるから、そういうのをなくしていければいいかなって思います」 中学2年生 「歳とってるからとか、若いからとか、そういうのはないし、もう少しみんなの見方を変えれば、変わっていくんじゃないかなって思います」 ひとりひとりの意識や行動が「みんなが生きやすい社会」の実現につながります。