<百千さん家のあやかし王子>葵と幼馴染との“優しさ”と“せつなさ”が溢れるエピソードに「胸が締め付けられる」の声
テレビアニメ「百千さん家のあやかし王子」(毎週金曜深夜0:00-0:30、TOKYO MXほか/ABEMA・Huluほかで配信)の第5話が2月2日(金)に放送された。近づいたら呪われると噂のクラスメイトと出会ったひまり。その人は葵の幼馴染だった――。 【写真】葵と幼馴染の日高との切ないエピソードが話題に ■「百千さん家のあやかし王子」とは 本作は、漫画雑誌「ASUKA」(KADOKAWA)にて、2013年から2019年にかけて連載され、累計発行部数110万部以上、10言語で翻訳・出版されるなど海外でも人気を集めている硝音あやによる漫画が原作。亡き両親の遺言状により、山奥の日本家屋を相続することになったヒロイン・百千ひまり(CV:川井田夏海)と、そこに住み着くあやかしたちとの生活が描かれる。 2015年には実写舞台化もされ好評を得た“あやかし系和風ファンタジー”がこの度、満を持してアニメ化された。「七つの大罪 怨嗟のエジンバラ」のボブ白旗が監督を務め、「うちの会社の小さい先輩の話」の蒼樹靖子がシリーズ構成を担当。アニメーション制作はドライブが担当する。 ■葵の幼馴染と出会うひまり 「お前はとうにあやかし側にいるのだ」という火車(CV:八代拓)の台詞が印象的だった第4話。続く第5話では、そのことを実感させるエピソードが描かれた。 ある日、ひまりは近づく者には呪いがかかると噂のクラスメイトと出会う。名前は日高(CV:山下誠一郎)。彼はかつて、葵の幼馴染だった。朝から晩まで一緒にいるほど仲が良かった二人。しかし、ある日を境に日高は葵に避けられていると感じるように。理由はわからなかったが、幼き日の日高はもう一度仲良くなりたい一心で、葵にプレゼントする四葉のクローバーを手に入れるため、祠の主に願いを叶えてもらったという。自分の“大事なもの”と引き換えに……。 その日から葵は忽然と姿を消し、人々の中から葵に関する記憶も消えてしまった。それは葵が百千家に迷い込み、御守様に指名されたからであったが、たまたま日高が祠の主と契約を結んだタイミングと重なったことから、日高は自分のせいで葵が消えてしまったという罪悪感に苛まされることとなる。 元々は明るく活発だったが、そのことをきっかけに暗い性格になってしまった日高。だが、彼が周りとの交流を避けるのは、自分のせいで相手に災いがふりかかることを恐れているためでもあった。そんな優しい日高の力になりたいと思うひまりだったが、狐面の少年に邪魔されてしまう。その少年こそ、日高が幼い頃に契約を交わしたあやかし「管狐」だった。 ■日高と葵の別れにせつなさが溢れる 日高に取り憑き、近づく者に災いをもたらす管狐。しかし、それはただのいたずらなどではなく、ある理由があった。 もともと、日高家は「憑き物筋」と呼ばれ、代々狐のあやかしを使役する家系で、祖父の代まではその姿が見えていたという。しかし、以降は力を失い、日高にも管狐の姿は見えていない。その寂しさから、管狐は自分の存在に気づいてもらうために力を誇示していたのだ。 百千家の敷地内に入ったことで管狐の姿が見えるようになった日高は優しく語りかける。なぜなら、日高にはその気持ちが理解できたから。相手に必要とされたい、自分の存在を認めてほしい。それは人間もあやしも同じなのかもしれない。日高に自分の気持ちを受け止めもらえた管狐は、満足したように消えていった。 管狐は最後に日高から奪った大事なものを返す。それは葵の面影であり、日高はようやく葵の顔と名前を思い出すことができた。だが、日高はその記憶を全て忘れてしまう。現世で生きる日高と、限りなく幽世に近い場所で生きる葵。そこには大きな隔たりがあり、二人の人生はもう交わることはない。自分のことを忘れてしまうとわかっていても葵は抗わない。それは、自分の面影に苦しまず生きていってほしいという葵なりの優しさだった。 葵と日高の後味引くエピソードが優しく淡いタッチで描かれ、切なさを増した第5話。葵が抱える寂しさや諦念も身に沁みて感じたこの回に、視聴者から「日高くんと葵…かなしい回だった」「葵はこれでいいのかなぁ…」「根底にある葵くんの優しくてさみしい気配が穏やかな中にも漂っていて毎回胸が締め付けられる」という感想があがった。 ■文/苫とり子
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