高校生平和大使に谷河さん(東海大翔洋)選出 「被爆者の話、世界へ発信」
世界平和や核兵器廃絶を国内外で訴える高校生平和大使の静岡派遣委員会は5月31日、県内選考結果を発表した。第27代平和大使に東海大静岡翔洋高3年の谷河優那[ゆうな]さん(17)=静岡市葵区=を、長崎派遣代表に不二聖心女子学院高2年の水野可麗[かれん]さん(16)=熱海市=と榛原高3年の粂田陽菜[はるな]さん(18)=吉田町=を選んだ。3人は県庁で記者会見し、平和への思いや活動に向けての抱負を語った。 谷河さんは昨年2月から今年1月まで1年間、軍隊を持たない国であるコスタリカに留学。日本が太平洋戦争で経験したことを現地の生徒に説明し、戦争や平和について意見を交わしたことを振り返った。「広島や長崎で被爆者から生で聞いた話や発見を自分の口で伝え、世界へ発信していきたい」と抱負を語った。 水野さんは中学時代に長崎を訪れ、被爆者から話を聞いた経験を踏まえ「平和を願う気持ちが一層強くなった。一人一人が命の尊さを感じ、戦争や核兵器のない世界につなげていかなければならない」と訴えた。粂田さんは、曽祖父が書いた戦争体験記を読んで戦争の悲惨さを実感したといい「私たち自身は語り部ではないけれど、直接戦争を経験した人の話を聞くことで『語り継ぎ手』になれる」と力を込めた。 3人は8月9日、長崎平和祈念式典へ参加する。谷河さんは同月、平和大使としてスイス・ジュネーブの国連欧州本部も訪れる予定。
静岡新聞社