大塚 愛さん「子どものころはピアノが苦手」音楽好きになったきっかけは?|VERY
いつも私を「べタ褒め」してくれた母
──前のインタビュー(記事はこちら)では、「曲が売れても高い買い物ができなかった」と仰っていましたが、堅実志向で心配性なのは昔からなのですね(笑)。 家では、ピアノを弾いたり歌を歌ったりしていると、必ず母親がベタ褒めしてくれました。母は生まれつき心臓が弱くて病気と闘いながら生きてきたので、自分ができることは何もないと思って、娘には好きなことをさせてくれたんだと思います。曲作りに使う機材など、欲しいものは迷わず買ってくれましたし、私が歌ったりピアノを弾いたりするだけで、「もう、なんて素敵なのっ!」という感じで思い切り褒めてくれました。勘違いであっても「私、もしかしたら向いているのかも」という気持ちになって、ますます音楽好きになってしまうような環境でした。私は一人っ子として育ったせいか、幼いころから一人で留守番をしても寂しいと思うことがありませんでした。むしろ親がいないと「自由だー!」とテンションが上がる感じでした。大人になった今もよっぽどの用事がない限り自分から連絡することは少ないです。たくさん愛情を注いでもらっていて、離れていても安心感があったからだと思いますが一人で過ごす時間もとても大切なんです。それでも、デビュー前に一度、親に弱音を吐いたことがありました。はじめて親元を離れて東京に行き、デビューシングルのためのデモテープを制作していたのですが、アレンジがうまくいかないまま実家のある大阪に帰る予定日に近づいてしまって。本当につらくて「うまくできない」と電話で母に弱音を吐いたら、「できるまで帰ってこなくていいよ」と言ってくれました。そのひと言が本当にありがたかったのを覚えています。
『買物ブギー』のバイブスに夢中だった幼少期
──朝ドラ『ブギウギ』でも話題になった歌手の笠置シヅ子さんを尊敬しているという話を聞きました。どんなところがお好きですか? 10歳ぐらいから笠置シヅ子さんの『買物ブギー』が好きなんです。アニメ『ちびまる子ちゃん』の映画で劇中歌として流れてきて、衝撃を受けたのがきっかけです。幼い頃から「男っていうだけでエラそうにしていてムカつく!」という怒りがあったんですよ。同じ大阪で育った笠置さんが曲を発表したのは私が生まれるより前の時代ですが、曲中で「おっさん」を連呼して畳み掛けるバイブスにノックアウトされました。音楽ってこんなふうに自由でいいんだ!と曲作りの概念がぶち壊された瞬間でしたね。 ──最後に、VERY読者に向けて、おすすめの自作3曲を教えてください! 『kit palette』は、何気ない毎日だってすべてがスペシャルだという内容の、前向きで明るい気分にさせてくれる曲です。毎日、家事をこなしているVERY読者の皆さんが「代わり映えしない」と感じている毎日はスペシャルなんだよ、と気づくきっかけになる曲だと思うので、ぜひ皿洗いとかしながら聴いていただきたいです。もう一曲『日々、生きていれば』の曲は、慰めてくれる感じです。なんか毎日いろいろあるよね、と共感してもらえる曲なので、子どもが寝た後に一人でお酒を飲みながら聴くにはすごくいいんじゃないかなと。私自身ですか? 家ではほとんどお酒を飲まないんですよ。喉を使うお仕事があるときは飲まないようにしているのと、むくみやすい体質なので自然とお酒は控えるようになりました。最後にもう一曲、『君フェチ』は、色っぽくセクシーな気分になれる曲です! ちょうどVERY世代くらいの女性って、年齢を重ねたからこそにじみ出る色っぽさや魅力にあふれていてある意味「最強」だと思っているんです。この曲は、たとえて言うなら女性ホルモンがバーッと出るようなちょっとエッチな歌詞なのですが(笑)、VERYの読者の皆さんにもぜひおすすめしたい一曲です。