昨季サイ・ヤング賞右腕・コールとの対戦が注目される大谷（左）。ワールドシリーズ第１戦での先発が公表されたコール（ロイター）

　ドジャースとヤンキースの米国東西名門が激突するワールドシリーズ（ＷＳ）は、２５日（日本時間２６日）、ドジャースタジアムで開幕する。両軍の対戦はＷＳ史上最多の１２度目。２００９年以来４１度目のＷＳ出場を果たしたヤンキースのアーロン・ブーン監督（５１）は２１日（日本時間２２日）、オンライン会見を行い第１戦の先発投手に昨季サイ・ヤング賞の剛腕ゲリット・コール投手（３４）を指名。昨季ア・リーグＭＶＰのドジャース大谷翔平投手（３０）との投打頂上対決で開幕することになった。 【写真】真美子夫人、大谷と手つなぎラブラブ 　ブーン監督が開幕４日前で、早々に初戦先発を指名した。「ゲリットが第１戦で投げる。その後のことはこれから考える」。初戦はエース。明解な選択だった。 　コールは今季、右肘炎症で出遅れたものの、６月中旬に戦列復帰し、１７試合に先発して８勝５敗、防御率３・４１。シーズンが進むにつれ、調子を上げてきた。ポストシーズンでは３試合に登板し、１６回１／３で７失点（自責６）とゲームをつくった。対大谷としても適任で、通算対戦成績は２０打数４安打（１本塁打）、被打率２割に抑えている。 　ヤンキースはチームとしても大谷を苦にしていない。今季本拠で対戦し１勝２敗だったが、１３打数２安打０本塁打１打点に抑えた。被打率１割５分４厘は、ブルージェイズと並ぶ最低タイ。キャリア通算でも２６試合で９１打数１９安打９本塁打１８打点。被打率２割９厘は全球団トップだ。ヤンキースタジアムでの被打率１割３分６厘は、パドレスに次ぐ２位。大谷恐るるに足らず、といえる数少ない球団なのだ。 　今回の名門対決は近年にない高い注目を集めている。全国紙ＵＳＡトゥデーは同日に「ハリウッドＶＳブロードウェー、ロデオドライブＶＳ５番街」そして「大谷翔平ＶＳアーロン・ジャッジ、ムハマド・アリＶＳジョー・フレージャー」とボクシングの伝説的な対決も並べ、いかに歴史的な対決になるかと強調した。地元紙ニューヨーク・ポストも「スター・ウォーズ」と題し１面で展開。ドジャースタジアムで行われる初戦のチケットは最高で７００万円超、最安でも約１７万円のプレミア価格で取引。歴史的な一戦へ向けたフィーバーは過熱の一途をたどっている。 　◆ゲリット・コール（Ｇｅｒｒｉｔ　Ｃｏｌｅ）１９９０年９月８日、カリフォルニア州生まれ。３４歳。ＵＣＬＡから２０１１年ドラフト全体１位でパイレーツ入り。１３年にメジャーデビューし、アストロズを経て２０年からヤンキース。ドジャースのお膝元で生まれ育ったが幼少期からヤンキース・ファン。最多勝１回、最優秀防御率２回、最多奪三振２回。昨年、サイ・ヤング賞を初受賞。１５０キロ台後半の直球とカーブ、カットボール、スライダーが武器。身長１９３センチ、１０２キロ。右投右打。年俸３６００万ドル（約５４億３６００万円）。