ハイブリッドロケット発射実験に成功 福島県南相馬市のAstroX 高度7キロ到達
人工衛星打ち上げ用ロケットを開発している福島県南相馬市の「AstroX(アストロエックス)」は9日、市内小高区でハイブリッドロケットの発射実験に成功した。機体は高度約7キロに到達し、小田翔武社長は「新たな技術の実証に緊張もあったが、一歩前に進めた」と胸をなで下ろした。 午前6時56分、発射台から海側に向けて発射し、高度約7キロ(推定)に到達した。先端部分が空中で分離されるはずだったが、作動しないまま着水した。地域住民ら約400人が打ち上げを見守り、小田社長は「今後も南相馬市を中心に研究開発を進めていきたい」と決意を語った。 今年8月に市内で発射に成功した小型ロケットより機体を大きくして実験した。千葉工業大と共同開発し、同大の学生がロケットの設計、アストロエックスが打ち上げを担った。機体は固体燃料を液体の推進剤で燃やすハイブリッドロケット。全長は約6・3メートル、重量は約162キロ。
同社は高度約20キロまで飛ばした気球からロケットを発射する「ロックーン方式」で人工衛星を宇宙に輸送する技術の開発を進めており、2028(令和10)年度の実用化を目指している。12月ごろに南相馬市で気球を使った放球装置の試験を行う。