日本のTikToK利用率が大幅増、主要SNSでは過去1年で最大の伸び
(ブルームバーグ): 中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の日本国内での利用者が若者を中心に大幅増加し、主要ソーシャルメディア(SNS)の中で最も大きく伸びた。米国では安全保障上の懸念から排除する動きが強まっているが、日本では政府端末での利用禁止のみにとどまり、新たな規制の動きには至っていない。
NTTドコモ・モバイル社会研究所が22日に公表した調査では、スマホなどの所有者のTikTok利用率は18%で、前年比8ポイント増となった。特に10代の伸びが目立った。その他主要SNSの伸び率は限定的で、最大のInstagramも2.2ポイントの伸びにとどまった。今年1月に15歳-79歳の男女6440人を対象に、月に1回以上の利用率を調査した。
米上院は23日、TikTok親会社の字節跳動(バイトダンス)に対し、米事業を売却しなければ同アプリを使用禁止とする法案を下院に続き可決。利用者のデータを中国政府が収集・利用できるなどの懸念から、中国資本からの分離か利用禁止を迫る。今後日本国内で同アプリ利用がさらに拡大しても、規制理由に乏しいため米国同様の動きには結び付かないと市場関係者は予想している。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、米法案は安全保障上の脅威である証拠を明確に示さず外資を排除する動きであり、大統領選に向けたパフォーマンスの側面があるとし、日本に同様の対応を迫る可能性も低いだろう予想した。例え迫られたとしても、安全保障を理由に個別企業を排除するのは相当難しいだろうと述べた。
SNSマーケティングを手掛けるガイアックスの重枝義樹氏は、米議会で禁止法案が可決されたことに対して国内の反応は「鈍い」と指摘、むしろ急速に伸びるTikTok人気で企業のプロモーションは増え続けていると説明した。
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