南果歩19歳のときに小栗康平監督の映画で主演デビュー。学校の「芸能活動禁止」の規約改正第1号に!
1984年、桐朋学園大学短期大学部(現・桐朋学園芸術短期大学)演劇科在学中にオーディションで2200人の中から映画「伽耶子のために」<※伽耶子(かやこ)の「耶」は人へんに耶が正式表記>(小栗康平監督)のヒロインに抜擢され俳優デビューした南果歩さん。ポーラテレビ小説「五度半さん」(TBS系)、舞台「ロミオとジュリエット」(演出・坂東玉三郎)、映画「TOMORROW 明日」(黒木和雄監督)などに出演。生死の境をさまよった出産、二度の離婚、乳がん…さまざまな困難を乗り越え、第一線で活躍を続け、1月17日(金)に映画「君の忘れ方」(作道雄監督)が公開される南果歩さんにインタビュー。(※この記事は全3回の前編)
■小学校2年生のときに裕福な生活から一転
兵庫県で5人姉妹の末っ子として生まれた南さんは、小学校2年生のときに父親の会社が倒産し生活は一変したという。 「小さいときは裕福だったんですけど、おうちの経済事情が突然ジェットコースターのように急降下して。でも、まだ小学校2年生ぐらいだったので、それが悲しいとか、そういう気持ちはなくてその状況を楽しんでいたと思います。 お風呂屋さんに通ったり、家族でギューギューの場所に住んだりというのも、それはそれで面白いという感じでいたと思いますね。 思春期とか、そういう時期だったらいろいろあったと思うんですけど、まだ幼かったし、転校した先の学校で新しいお友だちを作ったりとか…そういうことにフォーカスしていたという感じですね」 ――お芝居に興味を持つようになったのは? 「高校時代だと思います。高校のときにダンスを始めたんですね。それで発表したり踊ったりすることでもう一つの自分を発見したというか。こういう表現方法があるんだなって。 そこで何か私も表現したいという気持ちになったと思います。 まだ具体的には、映画に出る人とか、テレビに出る人という意識はなかったです。ダンスはダンスで面白かったんですけど、本を読んだり、映画を見たり…そういうことも好きだったので、言葉を使って表現したらどうなるかなというところで演劇をやってみようと思いました」 高校卒業後、桐朋学園大学短期大学部(現・桐朋学園芸術短期大学)演劇科に入学。南さんは、高校生の時に大学に行く代わりに歯の矯正代を払ってほしいとお願いしたという。 「母に『一生のお願い。大学進学は諦めるから』と言って歯列矯正をして、それがうまくいった頃に大学受験だったので、『お母さん、私東京の大学に行くわ』って。末っ子なので、ちゃっかりしていますよね(笑)」