【解説】デジタル空間での性被害 メタバース上で"レイプ"も
フッド氏は、対応がなかなかされない現状でも、有害なコンテンツの存在と、それを通報したという記録を残すためにもやはりユーザーは通報すべきだといいます。また、通報の数も多くなれば企業側も対応を迫られるということです。
■企業側の責任
そして、企業側には不適切なコンテンツについてのデータを公表することと、そもそも世に出す前に、女性を含む全ユーザーが安心して使える設計にすることが重要だと指摘します。
また、プラン・インターナショナル・ジャパンで、ジェンダー平等の実現にむけ国内外でアドボカシー(政策提言)活動に取り組む長島美紀さんは「ネット空間はある種の公共空間、痴漢に遭わないようにしましょう、ではなくそういうことが起きない空間にする必要がある」としています。
■メタバース上の"レイプ"
また、技術が進歩するにつれて、これまでなかったような性被害のケースも報告されています。ことし1月メタバース上で“レイプ”される事案があった。一体どういうことなのでしょうか。
メタバースは、ネット上の仮想のスペースでユーザー同士の交流などさまざまなことができます。その場にいるかのような臨場感が特徴です。 メタバース上での“レイプ”について、詳細を報じている英・デイリーメール紙によれば、イギリスでことし1月、16歳未満の少女がメタバースでゲームをしていたところ、少女のアバターが複数の知らない男性アバターに“レイプ”されたといいます。これについて、イギリスの警察はメタバース上での「性被害」で史上初めて調査をすることになりました。 この件に関する詳細は公表されていませんが、少女はその後、大変動揺しパニック状態になってしまったということです。仮想の世界での出来事でも、実際に体調や精神面でダメージを受けたということです。 今回、2021年に同じようにメタバース上で性被害をうけたニーナさんに当時の話を聞きました。
■ニーナ・パテル氏
「アバターの服装など選び、交流スペースにいくと60秒ほどで男性の声を持つ男性アバターが暴言を吐いてきました。その後、性的暴行としか言い表せないような行為をされました。やめるように言っても、逃げても彼らは追ってきた」