京都博物館へ「0系」新幹線車両搬入 大阪から5時間かけ
京都博物館へ「0系」新幹線車両搬入 大阪から5時間かけ THE PAGE大阪
JR西日本は1日、2016年に開業する京都鉄道博物館(京都市)に「0系」新幹線車両を搬入した。この車両は長年、大阪市港区にあった「旧交通科学博物館」で長年展示されていたもので、多くの人々に親しまれた車両だ。その車両が大阪での整備を終え、新たな展示場所へと無事に搬入され、未明から早朝にかけ多くの鉄道ファンも駆けつけ、その様子を見守っていた。
大阪・旧交通科学博物館で愛された0系新幹線車両
この車両は、1978年まで実際に走っていたもので、長年にわたり、大阪市港区のJR大阪環状線弁天町駅の高架下にあった「旧交通科学博物館」に展示されていた。 同館閉館からしばらくたった昨年11月7日に、長年展示されていた同館に別れを告げ、大阪市内の整備工場へと搬入された。その際、深夜で終電がすぎてからの移送にもかかわらず、多くの鉄道ファンが同館周辺などにかけつけ、SNSなどでもその移送の模様が話題になるなどした。 その後、工場で整備され、約半年たって再び鉄道ファンの前に姿を現した0系新幹線。それを待ち構えていたかのように、1日未明からの搬送には多くの鉄道ファンが情報を得るなどして駆けつけた。同日4時ごろには、京都鉄道博物館(現・梅小路蒸気機関車館。8月30日閉館)前に到着。道路に止まっている「団子っ鼻」を目の前に、多くのファンがカメラのシャッターを切る光景が見られた。
JR担当者「博物館の象徴的な展示物になれば」
しかし、同日は前夜から雨が降り続いており、博物館への搬入作業は慎重に行われた。道路の関係からバックでの搬入となり、同館前にあるJRの高架下をくぐる際は作業員から「はよせんかい」「そのままハンドル切って」といった怒号も聞かれるなど、さらに緊張感が高まる中、ゆっくりゆっくりと搬入された。 そして、午前4時57分に搬入が完了。大阪市内の工場から約5時間の移送となったが、博物館前の作業だけでも慎重を重ね、歩いて1分ほどの距離を約30分かけ搬入した。 搬入を終えJR担当者は「まだきょうは最初。あと3両搬入があるので、残りも今日のように安全で作業を終えれば」と話し「初代の新幹線でもありますし、この博物館でも象徴的な展示をして、皆様に愛される存在になれば」と話していた。