ECBは緩和加速、仏・スペインのインフレ低下で10月も利下げの観測
(ブルームバーグ): フランスとスペインのインフレ率が2%を下回ったことで、投資家やエコノミストの間で欧州中央銀行(ECB)が利下げペースを速めるとの観測が高まった。
27日に発表されたデータによると、フランスの消費者物価指数は9月に前年同月比で1.5%上昇。エネルギーコスト低下を主因に3年余りで初めて2%を下回った。スペインでも同様に、燃料、電力、食料品価格の落ち着きでインフレ率は1.7%に低下した。
両国とも1.9%が予想されていた。また、ECBの調査では消費者が今後数年間に物価上昇がさらに緩やかになると予想していることが分かった。
ユーロ圏のインフレ鈍化によりECBは今年すでに2回、中銀預金金利を引き下げている。当局者の大半は緩やかな金利引き下げが始まったとの認識を示しているが、民間部門の経済活動が予想に反し縮小したことで、緩和が加速するとの見方が強まっている。
27日発表のドイツの雇用統計では、9月の失業率が予想以上の上昇となり、景気低迷が労働市場にますます影響を及ぼしていることを示した。
こうしたデータを受けて市場では10月17日の0.25ポイント追加利下げの観測が強まり、確率は約80%とされている。ゴールドマン・サックス・グループとBNPパリバ、ブルームバーグ・エコノミクスが10月利下げ予想に転じ、HSBCも今週、同様に予想した。
ECBは10月にも利下げへ-BNPパリバ予想
ゴールドマンはECBが10月以降、ターミナルレートの2%に達するまで毎会合で0.25ポイント利下げをするとみている。
しかし、ECBはインフレ率が年内に再び上昇に転じると警告し、目標の2%で完全に落ち着くのは2025年終盤とみている。
さらに、総合インフレ率よりもサービス部門における物価上昇率を重要視しているが、8月のサービスインフレは4%を超え、利下げに対するタカ派メンバーの慎重姿勢の根拠になっている。
原題:Goldman Changes ECB Call, Sees Cuts Every Meeting From October、ECB Rate-Cut Bets Jump as France, Spain Inflation Sinks Below 2%、ECB Rate-Cut Bets Jump as France, Spain Inflation Sinks Below 2%(抜粋)