「ママ友マウンティング」に立ち向かうにはどうしたら…?ママ友ミステリコミック作者・ぱん田ぱん太さんインタビュー
仲良しだと思っていたママ友から突然悪意を向けられたら、あなたならどうしますか? 「あなたの夫は不倫している。別れた方がいい」 優しい家族に囲まれて幸せな日々を送っていた主婦・赤松なつめが、不穏なメールを受け取ったことから始まるコミックエッセイ『ママ友4人の誰かが夫と不倫している』。最後まで真犯人がわからないミステリ仕立てのストーリーに今、夢中になる人が続出中なんです。 【マンガを読む】『ママ友4人の誰かが夫と不倫している』を最初から読む そこで今回は、作者のぱん田ぱん太さんにインタビュー。ママ友マウンティングに対処する方法などをお聞きしました。 ■『ママ友4人の誰かが夫と不倫している』あらすじ 主人公・赤松なつめの夫は、いつも優しくフォローしてくれて育児にも協力的。家族仲も良く理想の夫だと信じていました。 ところが…。ある日曜日、仕事中のなつめの替わりに夫が地域のお祭り準備に参加していた日のことです。なつめのスマホに「あなたの夫は不倫している。別れた方がいい」という不穏なメールが送られてきたことから、幸せな日々が一変。夫は言い訳しますが、なつめの小さな疑惑は徐々に確信に変わっていくことに。 そしてお祭り当日、子どもがママ友からもらったというお菓子に小さなメモが貼り付けてあるのを見つけたなつめ。そこには、「早く別れろブス」という信じられない言葉が書かれていました。 こんなこと、一体誰が? 無邪気な子どもを利用して、嫌がらせしてくるなんて、絶対に許せない!! この事件をきっかけに、なつめは4人のママ友へ疑いの目を向けるようになりました…。 ■仲良しママ友グループのメンバーで実際に友達になりたいと思うのは… ――作中では、「上から目線」、「二面性」、「距離感なし」、「相談女」…等々、個性的なママ友たちが登場しますが、このキャラクターたちはどのように生み出されたのでしょうか? ぱん田ぱん太さん:「相談女の青木さん」。ちょっとややこしいのですが、私の昔の彼氏が「相談男」だったんですよね。女友達に「相談したい」と言って2人で会ってそのまま浮気するという。その、男女逆転版です。 ぱん田ぱん太さん:「距離感なしの黄瀬さん」。これは…ちょっとイタいかもしれませんが、私自身がこれのモデルといってもいいですね。距離感なしだけではなく、海外がなんちゃら~とやかましいのも、ドイツに住んで長い私自身に近いです。申し訳ございません(笑)。 ぱん田ぱん太さん:「二面性の緑川さん」。これは、学生時代の同級生ですかね。普段はとてもおとなしいのだけど、マンガやアニメなど、自分の好きなことになったら突然ぺらぺらと喋り出す面白い子がいた記憶があります。 ぱん田ぱん太さん:「上から目線の橙山さん」。これは、SNSでよく見かける方々でしょうか。私もブログを運営している以上、実際に「上から目線アドバイス」を受けたことがあります。 ――それぞれリアルなモデルが存在するのですね! では、この仲良しママ友グループの中で、ぱん田ぱん太さんがママ友になりたいのは誰ですか? ぱん田ぱん太さん:とりあえず、上から目線の橙山さんは絶対嫌です(笑)。 青木さんは美人だし、私のパートナーさえ「相談相手」として狙わないのであれば友達になりたいですね。 緑川さんは、私は漫画やアニメにあまり興味が無いので、話は合わないし心を開いてくれなさそうですが、「自分軸」なところが素敵だと思います。他人に興味が無くて、自分と家族の世界を大切にしていて、自分の大切なものを追求する感じ。 橙山さんとかは、他人に興味がありすぎるからいらないアドバイスをしちゃうんだと思うので。私は基本的に「他人にあまり興味が無い人」が好きです。 一番気が合うのはやっぱり黄瀬さんでしょうね。一つ前の質問で書いた通り、私自身がモデルな部分があるので。(笑) ■ママ友のマウンティングには「共感」と「オトナの余裕」で対処 ――「ママ友トラブル」を描くにあたって取材したこと、意識したことなどがあれば教えてください。 ぱん田ぱん太さん:取材とは違うのですが、「ママ友に言われて嫌だったこと特集」などを読んだりしました。…と書くと、ママ友の嫌な部分の参考にしたのかな?と思われるかもしれないのですが、実は違います。 物語後半で真犯人ママ友が主人公・なつめにイラつくシーンを描いているのですが、そこの参考にしたんです。つまり、私が「ママ友に言われて嫌だったこと特集」の中から「え?そのママ友の言ったことって、本当にそんなに悪意があったのかな?ちょっと、卑屈に受け取り過ぎじゃないかな?」と感じたことを、漫画内に反映させてみました。 描く時に意識したのは、そういったトラブルを「自然な範囲で大袈裟に描く」ということです。その方が、漫画としては分かりやすく、読みやすくなりますから。 ――ママ友同士の何気ない会話の中にチラチラ出てくる「マウンティング」。マウンティングしてくるママ友が身近にいたら、どう対処すればいいと思いますか? ぱん田ぱん太さん:まず「面倒くさいのでなるべく距離を置く」のは大前提ですが、それが出来ない場合もありますよね。その場合、私だったらこう返事します。 例えば、「うちの旦那が今度海外旅行に連れて行ってくれるんだよね」といったマウンティングの種類がポジティブなものだった場合。そうしたら「そっか。あなたはそれがすごく嬉しかったんだね。あなたが嬉しそうで、私も嬉しいよ」と共感してあげます。 決して「すごーい!!」と相手のマウンティング心を満たしてあげたり、「そんなの、全然羨ましくない。海外旅行なんか危険じゃん」とケチをつけたりはしません。前者は相手に「コイツにマウンティングしたら気持ちいい返事をくれる!」と学習してしまいますし、後者は無駄に敵意を持たれてしまって、ますます面倒くさいことになりますから。 あくまで「(私はそれを羨ましいとは思わないけど)あなたは嬉しかったんだね。よかったね」とオトナの余裕の態度を見せれば、相手は「コイツにマウンティングしても、なんかつまんないな」と思ってくれると思います。 *** 確かにマウンティングの返し方として「共感するけど話に乗らない」方法は、かなりスマートと言えるかも! そんな場面に遭遇したら、「オトナの余裕」でさらりとかわしたいものです。 取材・文=宇都宮薫