【ウインターカップ直前特集】『他喜力』でエースをコートに、四日市メリノール学院の池田大輝コーチ「苦難を言い訳しないチームを」
『他喜力』で届かなかった1点差を埋める
――昨年の自分たちを超えるには。 去年の夏と冬は1回戦で、あと1点が届かなくて負けました。この冬に関しては1点の差は何なのか、リバウンドなのか、ルーズボールなのか1本のシュートなのかを突き詰めました。3年生最後の大会なので全員で思いっきり楽しみながらやっていきます。 他を喜ばせる力で『他喜力』という言葉もウインターカップ予選前にミーティングで伝えました。「君たちが勝てば、親も、ケガをした塚松も喜ぶよね」と。他を喜ばせる力はすごい力が生まれる。あとは『感謝』です。ミーティングで合言葉を決めようと話し、「ありがとう」になりました。コートの5人、ベンチ、応援席が試合中に『感謝』するようにしています。だから、「君たちは全国大会で勝って誰を喜ばせたいか」、「誰に感謝したいか」を思い浮かべて臨んでほしいです。 ――今年のチームの一番の強みは。 スコアラーの塚松が抜けて、得点力は下がったので、それ以上に相手を抑えようという部分にフォーカスしてきました。予選の準決勝、決勝とも相手を50点以下に抑えられた。点数が取れなくても、ディフェンス力、組織力、チーム力を強化してやっていきたい。 ――対戦カードを見た感想は。 はっきり言って嫌ですね。初戦は山梨県の青洲です。山梨県は日本航空が目立っていますが、試合の映像を見て、青洲はすごく良いチームだと思いました。留学生のいるチームが県内に2校いる中で、どうやって勝とうかという姿が見えてきました。ウチも全国で勝っていくためには留学生チームを倒さないといけないので似ているなと。チームとして戦っている。思いっきり、楽しんで倒したい。 2回戦はシードの開志国際。高校生のゲームだから絶対はないと思っています。劣勢の状況は、私が大学時代に慣れたので、チームとしても多分やりやすいです。チャレンジャーとして戦う方があの子たちにも合っています。チームとして最低1勝を目指して、塚松をコートに立たせることを目標に頑張っていきます。 ――それだけ塚松選手への思い入れが強いのですね。 この目標は生徒たちに問いかけて決めました。組み合わせが決まる前に1、2、3年生でミーティングをしました。最低1勝を目指して塚松をコートに立たせたいと話していました。いろんな戦術やプレーがある中でも、結局、人対人で指導します。一人ひとりに対してどうアプローチしていくか。生徒、選手に合わせた言葉をかけ、その強弱は戦術よりも大事だと思います。 ――父の池田憲二さんが指揮を執る福岡大学附属若葉はウインターカップ出場を逃しました。 連絡はしていませんが、やはり悔しかったです。一緒に東京体育館に行って、父の試合が私の試合の前のコートであってというシーンも夢見ていないわけではなかったので、いつかは一緒に会場に立ってみたいですね。 ――応援している方々にメッセージをお願いします。 三重県を代表して出場するので、これだけやれるんだと、誇りを持って三重県の方々を勇気づけられるようなゲームがしたいです。皆様に支えられて今があるので、『感謝』の気持ちを持ち、胸を張って、ラストの大会を楽しんでいきたいと思います。