「原爆肯定派?否定派?」高校生が”原爆の是非”をディベートする物語 作家・小手鞠るいさんの「ある晴れた夏の朝」 舞台上演も
■「一冊の本には人を動かす力があり、人を変える力もある」 ー作中の「一冊の本には人を動かす力があり、人を変える力もある」という文章がとても心に響きました。英語版も出ていますが、小手鞠さんに届いた反響の中で印象深いものがありましたらお教えください。 (小手鞠るいさん) 「被曝なさった方の係累の方、遺族の方、戦争体験者の方々からの絶賛が特に嬉しかったです。このような方々の反響はとても多く、大きかったです。 『よくぞ書いてくれた』『こういう作品を待っていた』というような声です。 『原爆が落とされる前に、日本がどんな戦争をどこでやっていたのか、忘れてはならない』というような声です。 日本は唯一の被爆国。平和を祈りましょう・・・と叫ぶだけでは平和は実現しない、と戦争体験をなさった方々は思われていたのではないかなと推察します。(あくまでも推察ですが) あとは『この作品をアメリカ人にも、世界中の人たちにも読んで欲しい』という声も多かったです。この声を受けて、英語版の出版が実現しました」 ■アメリカの高校生による討論を日本人俳優が日本語で演じる舞台 小手鞠るいさんの「ある晴れた夏の朝」を原作とした「劇団うりんこ」の舞台が、8月2日、岡山で上演されます。 ー舞台化されることへのお気持ち、期待、これから観る人へのメッセージをお聞かせください。 (小手鞠るいさん) 「舞台化は去年に実現していて、東京と名古屋で大反響がございました。みなさん、最後の方で涙されるようです。親子で観に来られている方も多かったようです。 今年は、京都、宮城、そして、8月の岡山公演と続きます。舞台を観る前にぜひ、原作を読んでいただきたいです。見た後にも、本を読み返して欲しいと思っています。 そして、英語版もぜひ読んでいただきたいです。舞台と原作では、アメリカ人の台詞は日本語になっていますが、英語版ではそれが生の英語で読める(聞ける)わけです。これはもう絶対!です(笑) 『On A Bright Summer Moring』(偕成社)です。日本国内で、英語版が流通している作品はかなり稀有です」 さらに、この作品は7月9日に文春文庫になります。 (小手鞠るいさん) 「文庫になることによって、読者の幅がなおいっそう広がっていくのではないかと期待しています。この文庫には、岡山出身・大安寺高校卒業の金原瑞人さんの素晴らしい解説が付いています。本作の誕生秘話を語った、私のあとがきも付いています」
RSK山陽放送