告示後初の週末 小泉進次郎氏「合言葉は『逆転の錦織』」、野田佳彦氏「『しない』ばかりの自民党」 自民、立民「大物弁士」続々 21日は岸田首相、泉代表がトップ対決
衆院島根1区補選は20日、告示後初の週末を迎えた。自民、立憲民主両党が知名度の高い「大物弁士」を大票田・松江市を中心に投入し、舌戦を展開した。21日の自民総裁の岸田文雄首相、立民の泉健太代表の島根入りを控え、前哨戦の様相となった。 【特集】衆院補選 島根1区 「保守王国」勝敗の行方は 関連記事総まとめ!
自民新人の錦織功政候補(55)=公明推薦=は地元選出の国会議員のほか、西銘恒三郎元復興相らが応援に駆けつけ、松江、出雲両市内を回り、8カ所で街頭に立った。 松江市朝日町の松江テルサ前では、小泉進次郎元環境相や公明党の日下正喜衆院議員(比例中国)らを迎え、約750人が集結。錦織候補は「真っ白だった顔が(日焼けで)真っ赤になった。最後に真っ黒になるまで全地域を駆け巡る」とこぶしを握り、「大切な古里をより豊かにして次の世代に引き継ぐ。私が生涯をかけて取り組みたい仕事だ」と訴えた。 マイクを握った小泉元環境相は、自民派閥の政治資金パーティー裏金事件を念頭に「悪いのは今の自民党で、錦織候補は全く関係ない。今の自民を変えるには自民に染まっていない人が島根からも国会に出る必要がある」と主張。相手候補にリードを許しているとの分析を交えながら、松江市出身のプロテニス選手が粘り強いプレーで劣勢をはね返す戦いと重ね合わせ「合言葉は『逆転の錦織』だ」と力を込めた。
対する立民元職の亀井亜紀子候補(58)は野田佳彦元首相と蓮舫参院議員が応援に入り、松江、雲南両市内のスーパーなど7カ所で遊説した。 松江市学園2丁目のみしまや学園店前は約450人が集まった。マイクを握った亀井候補は、野田元首相、蓮舫参院議員を差し、「この顔ぶれ。今回の選挙はただごとではない」と強調。非正規労働者の処遇や子育て支援策への自民の対応を否定し、「日本のあらゆる問題を抱える島根県から新しい、クリーンな政治を一緒につくりたい」と語気を強めた。 応援弁士の2人は自民の裏金事件を厳しく批判。蓮舫参院議員は物価高や実質賃金が下がる中、自民の国会議員の処分対象が不記載500万円で線引きされたことに触れ、「政治と国民の生活は平等ではない」と断じ、「絶対に許してはいけない」と繰り返した。野田元首相は「解明しない。納税しない。説明責任を果たさない。処分しない。『しない』ばかりだ」と指摘し、「反省しない政党に処分を下す投票をしよう」と声を張り上げた。