峠地蔵のお礼伝え 中能登 地震で転倒、いつの間にか元通り 保存会、感謝の看板設置
能登半島地震で倒れた中能登町能登部上の「峠地蔵」が24日までに、元通りになった。誰が直したかは分からず、峠地蔵保存会は感謝を伝えるため、地蔵堂内に経緯を記した看板を設置した。保存会メンバーは「本当にありがたく、人の温かみを感じた」と喜んでいる。 保存会によると、峠地蔵は国史跡「雨の宮古墳群」に続く林道「雨の宮線」沿いの地蔵堂内に安置されている。毎年8月24日に周辺で「峠地蔵祭り」を開き、家内安全などを願う。 元日の地震でお堂は屋根の一部が壊れ、地蔵は堂内で転倒した。保存会世話人代表を務める甲部昭夫さんは1月10日、地蔵を直そうとしたが、重たくて動かせなかった。約1カ月後に再訪した際、地蔵が定位置に戻っていたという。 善行に感激した甲部さんは今月、経緯と感謝を記したA4サイズの看板を地蔵堂内に取り付けた。看板には「人の心に自然と手を合わせている自分がいた」「どこのどなたか分かりませんが、本当に有り難うございました」などと書いた。 地蔵堂に続く林道は10月12日までに通行止めが解消される。甲部さんは「看板を見た住民に善行を知ってもらい、直した本人にも感謝を伝えたい」と話した。