ジムニーっぽい“丸型ライト”がキュート! アウトドア仕様のスズキ新型「スペーシアギア」正式発表!! ライバルに対するアドバンテージは?
「スペーシアギア」を筆頭にライバル各車の個性が明確に
ここで興味深いのは、初代「スペーシアギア」に触発されて登場したライバルたちの方向性です。同じSUVテイストのクロスオーバーモデルでありながらも、よく見ていくと微妙にキャラが異なっているのです。
新型「スペーシアギア」はガチのアウトドアまでカバーすることを意識していますが、標準車である「スペーシア」との違いは内外装の仕立てと装備のみ。ダイハツの「タントファンクロス」も同じ方向性のモデルといっていいでしょう。 しかし、三菱「デリカミニ」は内外装に加えて、4WDモデルのみですがサスペンションを専用設計とし、大径タイヤを組み合わせてリフトアップすることで悪路走破性を強化しています。ライバルよりもちょっとだけSUVとの距離が近いポジショニングです。 また、ホンダがこの秋に発売する「N-BOXジョイ」は、バリバリのアウトドアユースからはちょっとだけ距離を置いています。 リアシートを格納すると出現するチェック柄で囲まれたフラットフロアに座り、ラゲッジスペースでお部屋のようにリラックスして過ごして欲しいという斬新なコンセプトを採用。まるで“移動するマイルーム”のような感覚のモデルで、景色のいいところへ出かけてリアゲートを開け、ピクニック気分を楽しもうというわけです。 シート表皮を始めとする各部のテキスタイルにチェック柄を採用するなど、アウトドアというよりもおしゃれ空間の演出を重視していることもライバルとの大きな違いです。 * * * このように、それぞれの個性が際だってきた軽スーパーハイトワゴンをベースとするクロスオーバーモデルですが、実用的なパッケージングを持ち、SUVテイストのルックスで楽しい雰囲気を演出しているのは各モデル共通です。 アウトドアに出かけなくても、所有しているだけで毎日を楽しく過ごせそうな雰囲気が、これらのモデルの最大の魅力であることは間違いありません。ライバルが出そろったことで好みに合わせて選べるようになったのは歓迎するべきことでしょう。
工藤貴宏