妊娠で女友だちと疎遠になった...私が子どもを産んじゃいけないの?
妊娠や出産をきっかけに、同性の友人との関係がギクシャクするようになったと感じたことはない? 3人のフランス人女性、カディジャ、カロリーヌとエメリーヌもそんな体験をしたという。フランス「マダム・フィガロ」がリポート。 カディジャは現在39歳、2児の母だ。「迷信深いので、仲良しの女性ふたりに話すのは妊娠3~4カ月の頃まで待っていました。ソワソワしながらエコー写真を見せると......ふたりとも押し黙ってしまったのです」とその時のことをふり返った。 3人が恒例にしてきた日曜日のブランチは気まずい空気に包まれた。「ようやくひとりが口を開くと、産むつもり? と聞いてきました。私がおめでたを告げた時のウキウキした気分が吹き飛ぶ、まさかの発言でした。それから私たちは話題を変え、その後、妊娠中はふたりと一度も会いませんでした」。カディジャが会おうと誘っても、ふたりとも「言い訳にならない」ような言い訳を持ち出して会おうとしなかったそうだ。 これまで仲良しであっても、人生に新たな要素、新たな存在が加わることで疎遠になる場合がある。フランスの心理学者、ポーリーヌ・マンジョレ(1)はその状況を次のように説明する。「なぜ母親になる選択をしたのかが理解できず、相手への思いやりや共感力に欠ける人もいる。親になるという大きな変化に直面したとき、続く友情もあれば消える友情もある。批判されるのを避けるため、親になる側から距離を置かざるをえない場合もある」
少しずつ疎遠に。
33歳のカロリーヌはシングルマザー。2歳半の男の子がいる。カロリーヌの場合、相手に理解してもらえないという状況に直面した。「突然の妊娠だったので、周囲の人たちに急いで知らせることになってしまいました」。しかしながら家族や友人は温かく励ましてくれた。シングルマザーとして子どもを育てる決意をしたカロリーヌにとっては、とても心強いことだった。 だが、子どもが生まれたら友だちに助けてもらえるかも、という期待は、10年来の友人の態度で打ち砕かれた。「彼女は妊娠初期の頃、生まれたら手伝うし、なんなら一緒に住んでもいいとまで言ってくれました。息子が生まれると、私が寝られるように赤ちゃんの世話をひと晩してあげると言ってくれました。ほとんど寝られなかった私には、とてもありがたい言葉でした。でもどんどん先延ばしにされて結局実現せず、とてもフラストレーションが溜まりました。少しずつ疎遠になって、いまでは連絡を取ることもありません」と、当時をカロリーヌはふり返った。 友人を恨みはしないものの、友人に期待しすぎたことを後悔している。「距離を置く前に一度話をしました。彼女の方は精一杯助けているつもりで、私が何を必要としているのか理解できずにいました」